劇場公開日 2019年3月30日

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「合わせ技一本というか、構成が素晴らしい」ナイトクルージング SHさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0合わせ技一本というか、構成が素晴らしい

2019年4月11日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

生まれながらにして目が見えな人が映画の監督をするということだけで興味がMAXであり、それをよく自覚した上でのオーソドックスで丁寧なドキュメンタリーで、長くても終始飽きることなく観賞できた。
正直、被写体の加藤監督の初作品は、当初の自分の期待からほど遠いものだったという印象だったけれど、未知のことをゼロから作り上げたことを考えると、出来上がったものは偉業と言っていい。そのことをよく表現できていた優れたドキュメンタリー映画だった。まさに二人の監督がつくりあげた芸術作品だと思う。
ドキュメンタリーとしてもう一度振り返ってみると、インパクトのある出だしから始まって、その後普通では考えられないコミュニケートを淡々と捉えていって、その結果は─、といったきわめてシンプルながらも非常に練られた構成にように感じた。
予定通りに推移して、特段大事件が起こっているわけでもない。それでも、素材そのものがすでに強烈なインパクトであり、いかにそれを分かりやすく伝達するかということだけに注力していて、非常に見やすかったし好感が持てた。
これからも映画を作るのかと質問されて、もちろんと言えないところが根深い難しさを表しているようにも感じたけれど、創作意欲はひしひしと伝わってくるし、作り続けてほしい、またそうした土壌がもっともっと広がることを望むところ。道は想像を絶する険しさだとは思うけれど、少しでもイメージ通りの作品を作り出すようになってほしい。
ドキュメントブックなるものも購入したので、作品の裏話もじっくり堪能したい。

SH