「これだけで最高の人生が見つかったと言えるのか?」最高の人生の見つけ方 movie mammaさんの映画レビュー(感想・評価)
これだけで最高の人生が見つかったと言えるのか?
原作とはだいぶ異なって。
何より違うのは、カーターに相当する幸枝が、平凡でその世代の象徴的な家政婦扱いされている妻な点。
せめて、マコの有り余る資金で様々な地域に赴く際に、実はテレビでふしぎ発見を毎週見ていて知識があるとか、そんな描写があれば良かった。
そして、カーターは家庭愛に恵まれているが、こちらはマコも幸枝も家族はいるのに孤独同士。
途中から幸枝は専業主婦そのものなまま、なーんにもしない夫にかしづいたまま死ぬのは嫌だと思い、旅に出てどんどん自分を取り戻していき、ついにしょうもない夫と、引きこもりの息子を更生させてから旅立つのだが。
その間に、ひとり先に旅立ってしまうマコ。
ホテル経営で財を成すも、父親の借金に苦しめられいじめられてきた過去を持ち、気丈だが実は自信がないから、いかにも嘘つきで横領までする夫を副社長にまでしていた。最後に夫に離婚届を突きつけるが、好きだから嫌と言う答えは聞けず、夫を解任し刑事告訴する結末の人生。ボケてから父親にいいこいいこをされただけで、マコの孤独は救われてない!
原作に終活を絡めたかった意図は伝わるが、うーん。
マコと幸枝の対比がはっきりするよう真逆設定なのだと思うが、吉永小百合が演じる日本の妻像は、戦後すぐくらいではないか?この映画を見る50-70代は今は割と、定年後の夫への教育が進んでいる気がする。
とても良妻賢母なようで、我慢強すぎて、文句もなくやりすぎて、家族全員を自己中にしてしまい結果、家庭内で孤独に苛まれる専業主婦。
結局、マコと似たもの同士の設定になってしまっているではないか。
周りに遠慮せず一度きりの人生、
言いたいこと言ってやりたいことやって、
思いきり謳歌しようと思っても、
そんな事はやっぱり、仕事も家庭もあるとなかなかできない。末期で有限だからできることに思える。
仕事に注力しセレブになり、色々見てきたマコも、家庭に専念して小さな子供達の成長を楽しみに一生懸命過ごしてきた幸枝も、共働きを頑張る中堅世代からすると、2人ともワーママよりは時間にゆとりがあったように見受けられるので、末期になるまでの時間の使い方はちょっと残念に見えてしまう。
親を許せはしたものの、マコの最高の人生は見つかったのかな?忠実な部下高田と、末期でお友達になった幸枝と、育てた会社だけで最高とするのはなんか違う。
天海祐希も吉永小百合も好きだけれど、
原作の方が好きだなぁと思った。
吉永小百合、一度も吸ったことないような表情だったけれど、実は天海祐希同様に結構な喫煙者だと思う。
演技ってすごいなぁと感じた。
マコの資金で色々旅をさせて貰い、結婚式までさせて貰って、更には最期にマコの遺産でロケットに投資をして、マコ&サチの名をロケットに掲げた幸枝。
なかなか厚かましい。マコへのありがとうは出てこなかったし、意外とえんま行きかもしれない。
エジプトで、ピラミッドに見惚れ、砂漠で足の裏を火傷するシーンが好き。