「これまでとこれからの生きた方を考えたくなる」最高の人生の見つけ方 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
これまでとこれからの生きた方を考えたくなる
ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンの同名作品は未観賞ですが、予告から展開は概ね想像できました。その上、冒頭のシーンでラストまで予想できてしまったので、ストーリーとしての意外性は感じませんでした。
しかし、そこに至るまでの過程がとてもよかったので、退屈することはありませんでした。余命宣告をされた二人が、当初は「やりたいことリスト」の内容を楽しくこなすだけでしたが、その中でしだいに自分の生き方を振り返り、自分自身と向き合い、残された時間を誰のためにどう使うのかを考えることになります。
主人公の二人が、残りの人生を明るく前向きに生きる様子が本当に心地よかったです。もちろん、お金があるからこそできたことばかりなのですが、そうでなくてもこの二人なら最後まで命を燃やし尽くしたことでしょう。そんな二人を前に我が身を振り返ると、惰性の日々を過ごしていることを情けなく思いました。周りにどう思われようと、自分だけは「自分の人生が価値あるものだ」と思えるようにしたいと素直に思えました。
主演の吉永小百合さんの物腰柔らかな演技と、天海祐希さんの強気な演技が、それぞれの役どころにハマり、二人の対照性が際立っていました。そんな実力派お二人の演技に、何度もうるうるさせられました。ムロツヨシさんも彼らしい立ち回りを見せ、存在感を放っていたと思います。
休日のファーストショーでしたが、劇場は結構な入りで、熟年夫婦が多い印象でした。人生のセカンドステージを迎えた世代はもちろん、若い世代にとっても、これまでとこれからの生き方について考えてみたくなる良作です。
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