「良作」最高の人生の見つけ方 みるきーさんの映画レビュー(感想・評価)
良作
どこで読んだか忘れましたが、元々は高倉健さんでリメイクという理想があったようです。が、亡くなられてしまい無しに。
その後白羽の矢が立ったのが吉永小百合さん。そして吉永さんの推薦で天海さんと前川さんも決まり、ももクロのライブに参加という案を出したのも吉永さんのようです。こう羅列すると本当に吉永さんありきの映画なのだなと。笑
原作と違って他人のリストを実行するというのは原作ファンの方からしたら物足りないのかもしれませんが、日本人の主婦らしさは出ているかなと思いました。タバコを吸ってみるという小さいことでさえ勇気を出さないとできない優等生な専業主婦の幸枝さんが日常を放り出すには誰かの為にっていう言い訳もどこか必要だったんじゃないかと思います。
スカイダイビングを実際に飛んだのか、なぜ東京出身の旦那さんの方が長崎出身の幸枝さんより訛ってるのか、ももクロシーン長過ぎないか、幸枝さんの子供絡みで色々詰め込み過ぎ、など気になる点を挙げるとキリはないのですが、でもサラッと観れて泣いて笑って人生を考えられる、いい映画だなと思いました。
エピソード量的にもやはり主演は吉永さん。吉永さんは本当に専業主婦が似合いますね。
安定安心の吉永さんでした。でも映画中はちゃんと70歳の幸枝さんだったのが凄いなと。
いつものお上品!と言うだけのキャラクターでは無いので興味深かったです。
天海さんはいつも通り強い女性かと思いきや、面白いシーンも弱さも脆さも女性らしさもあって、意外にも1番彼女に泣かされました。こんな役の天海さんをもっと観たい。がっつりメイクからスッピン、予想外の髪型など色々ありましたが、どれも綺麗。顔が整っていることを実感しました。
吉永さん、天海さん2人のコンビが身長差も距離感も思っていた以上によくて驚きでした。流石、監督さんが一押しされてただけあるなと。
ムロさんはほんとに楽しい。けど突然真面目なこと言うから泣けて泣けて。手紙のシーンの功労者はこの方な気もします。マ子さんや賀来さんとのエピソードがもう少し何かあっても良かったのかなとも思いますが。
前川さんは実際に世間にあふれていそうな朴訥としたお父さん。いい人だと思いました、ただあの喋りで東京出身は無理がある。笑
賀来賢人さんはシーンが少なくて、残念。いいキャラだっただけにもっとマ子さんとのシーンが観たかったなと。彼の本心も気になる所だし、掘り下げてみて欲しかった。目力はさすがです。
全く文句の付け所が無くて大ヒット間違いなしとは思わないけど、何かふとちょっと泣きたくなった時、人生に迷った時にさらっと観れる映画という意味で良作だと思います。ジャパンプレミアと、映画館と2度観ましたが、きっとまた私は観に行きます。