「1章・2章があれで3章がこうなるのは釈然としない」劇場版 Fate/stay night [Heaven's Feel] III. spring song Geso_de_Nyoroさんの映画レビュー(感想・評価)

3.51章・2章があれで3章がこうなるのは釈然としない

2020年8月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

興奮

難しい

Fate/XXX はゲーム原作ゆえにプレーした人にはイロイロ補完も行き届いて把握できるでしょうが、そうでない人にはこのシリーズは不親切なのは否めません。ですが1章・2章はその辺然程難儀しなかったのは、Stay Night はコレが3ルート目で過去2作を観てきた事が功を奏したのかも知れません。
とは言え今回3章の展開は難解+解せない気がしたのと、何より「桜を守る」が、あまり守った風な印象を受けなかったのが主たる感想です。

一つには詰め込みすぎで一つづつの〝山〟が薄味です。それと〝黒桜〟のイメージが個人的に思ってたのと全然違って微妙でした。言峰綺礼のセリフはチョイチョイ状況を説明する長台詞も哲学じみてて難解、この辺はゲームユーザーではない観覧者には厳しい所。そして伏線を回収し損なったのが2つ程? それは見落としかも知れませんが。ンで、結局ギル様はモブ扱いだったのかぁ‥‥

最終決戦での対戦順も疑問。コレずっと桜ルートだと思って観てたのにそのテイストが展開に従ってだんだん薄くなり、終盤には美味しいトコを別のキャラが持ってった感が否めず、コレも結構引っかかる(但しそのシーンは必須)。瀕死の重傷負ったのに次のシーンで普通にヒョッコリ出てきちゃうのも、サスガに何度も繰り返されると‥‥
一方で倒したと思った敵がまた出てくるのも理由に乏しく、コレも明らかにゲームプレー前提の省略と思われました。

ストーリーがどんどん複雑難解になっていく様な気がして、テクニカルに走りすぎて観る側としての理解と感動に、あまーり気を配らなくなった様な作風に傾いた感が否めません。その反面、映像とサウンドは非常に高いクオリティで、対戦シーンが早すぎて目が追いつかない所も多々あるものの、その迫力には毎作圧倒されソコについては言う事はなし、恐れ入るばかりです。

そんな訳で、ナカナカに残念な所が予想外に目に付いてしまった3章完結作でしたが、ラストのライダーの扱いは経緯は不明ながら人気キャラらしくて満足。でも士郎はアレでいいの?
次の劇場版の Grand Order も注目してる作品ですが、ソチラはどう仕上がるのか楽しみです。

Geso_de_Nyoro