「前半は第1次大戦の知識がないとよくわからないけど、後半のアクションシーンは面白かった。」キングスマン ファースト・エージェント Push6700さんの映画レビュー(感想・評価)
前半は第1次大戦の知識がないとよくわからないけど、後半のアクションシーンは面白かった。
マシュー・ボーン監督が好きなので見に行った。
なんか前2作と作風が変わった。
同じファーストだからかもしれないけど、X-MENシリーズで1作だけ監督した『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』みたいになった。
全2作と同じのつもりでいたので、アクションも中々出てこないし、時代が古いからしょうがないけれど、ふざけた秘密兵器も出てこないし、なんだかつまらないと思って見ていた。
正直少し眠くなって、途中意識が飛びそうになった。
でも見ているうちになんとなくこれは昔世界史の授業で習った第一次世界大戦のことなのか?と気づいた。
どこで気づいたかというとロシアの怪僧ラスプーチンと、オーストリアの皇位継承がセルビアで暗殺されたサラエボ事件のあたりかな?
映画の前半部分は、第一次世界大戦の影でキングスマンの最初の頃の人がいろいろやっていたんだよ、ということを言いたかったみたいな感じだった。
映画見る前にそれがわかっていればもっと面白かったかもしれないと思うと少し残念だった。
ネタバレ厳禁の映画があるけど、この映画は前2作の知識はいらないけど、第一次世界大戦の知識がないとよくわからない映画なので、見た人のレビューとか読んでから見に行った方がいいような気がした。
後半は第一次世界大戦の裏で暗躍する悪の秘密結社との闘いになって、ようやくキングスマンらしくなった。
時代的に秘密兵器は出てこないけど、マシュー・ボーン監督の独特のアクションは健在で、後半から面白くなった。
マシュー・ボーン監督のアクションは他のハリウッド映画のアクションとは一味違う。
うまく説明できないけど、だいたいのハリウッド映画のアクションはすごく直線的でそのままという
感じなんだけど、マシュー・ボーン監督のアクションはすごく捻ってある感じ。
英国人特有のものなのかもしれないけど、リアルさと残酷さの中に、どことなく皮肉とユーモアがある。
例えるなら『Mr.ビーン』のアクションみたいな感じ。
アクション映画はあまり撮ってないから比べられないけど、どことなくスタンリー・キューブリック監督の感じもしていいと思う。
アクションはいいんだけど、なんとなく惜しいなと思うのはキャラが立ってないこと。
『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』は当然のことながらキャラが立ちまくっていて名作だったけど、この映画は同じような感じでも、キャラが立ってないからその分面白くない。
全2作と比べてもそんな感じがする。
この映画登場する人物はほとんど皆同じに見えるし、主人公は普通の英国の紳士で、他の2人も使用人の女性と黒人の人では芸がなさすぎるような気がする。