「ヒッチコック作品へのオマージュを感じるサスペンススリラー」ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ 和田隆さんの映画レビュー(感想・評価)
ヒッチコック作品へのオマージュを感じるサスペンススリラー
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既視感を覚えるほどに、往年の映画ファンの心をくすぐる作品ではないだろうか。特に“サスペンスの帝王”と称されたアルフレッド・ヒッチコック監督作品へのオマージュを感じ、傑作「裏窓」を想起するのは私だけではないだろう。
その作品は5月14日よりNetflixで独占配信がスタートした「ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ」である。「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」などのジョー・ライト監督が、オスカーの常連女優エイミー・アダムスを主演に迎え、さらにゲイリー・オールドマン、ジュリアン・ムーアら豪華実力派キャストの共演で描いたサスペンススリラーだ。
広場恐怖症という病を抱えた引きこもりの女性が主人公で、隣りの家で起こった恐ろしい出来事を目撃したことをきっかけに、不可解な出来事に翻弄されていく姿を描いており、設定やストーリーはもちろん「裏窓」とは異なる。
しかし、主人公が窓から隣り近所の家を覗く行為や恐ろしい事件を目撃して巻き込まれる展開、そして精神的、心理的に追い詰められていく“恐怖心”をテーマにしているなど、類似点は多い。しかも主人公が引きこもって見る映画で「裏窓」や古い名作のシーンが劇中に映り込むので、もうこれは原作者も含めて確信犯なのではないだろうか。
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