「これはアレサ・フランクリンのための映画でしょ♪ Think!」THE UPSIDE 最強のふたり kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
これはアレサ・フランクリンのための映画でしょ♪ Think!
EW&Fも流れないため前半はそれほど面白さを感じなかったのですが、徐々に面白くさせてくれました。最も違いを感じさせるのが音楽の面であり、オペラに連れていかれた介護人デルがオペラを好きになってしまうというところ。目立つのはプッチーニ作トゥーランドット「誰も寝てはならぬ」だ。荒川静香のスケートも思い出してしまいます。
相違点は皆さんが挙げているのにわざわざ再掲することもないと思いつつ、まずタイトルや登場人物名が違う!という点に尽きるのじゃないでしょうか(冗談です)。
・フィリップがDNR(蘇生処置拒否指示)について語っている
・イヴォンヌ(仏版はマガリー)がレズビアンではなさそう
・フィリップが養子にした女の子が登場しない
・デル(仏版はドリス)は妻子持ち。弟が息子に代わった感じ
・リリー(仏版はエレノア)に振られた
・そのためクビにした理由が違う(仏版では義弟に会ったためという不自然な理由、このリメイク版の方が辻褄があう)
・フィリップがストーマケア?うんこ処理が違ってた。レストランデートでの汚れもこれによるものじゃないでしょうか?誰か看護師さん教えてください。
そんなこんなで終盤に入り、フィリップがデルにお気に入りのオペラを聴かせるシーンがあるのですが、それを歌ってるのが何とアレサ・フランクリン!こんな貴重な音源もあるのですね。亡くなってから作られた脚本なのかどうかはわかりかねますが、オペラとブラックミュージックを融合させる手腕は大したものです。これによって評価も上がってしまいます。そして最後には「アレサ・フランクリンに捧ぐ」というテロップも・・・ちょっと涙が・・・
また、デルが独り言で「考えろ、考えろ」とか言ってたシーンもありますが、エンドクレジットにはしっかりアレサ・フランクリンの歌「Think」と載せてあり、performed by Kevin Hartって出てました。歌ってたのね・・・一応。Thinkについて知らない方はぜひ『ブルース・ブラザース』をご覧ください。
仏版の最後に「実話としてはフィリップが再婚した」とあるが、誰と結婚したかはわからずじまい。う~む、イヴォンヌだったらいいのにね。