「がんばれ!!ジブチくん!!」15ミニッツ・ウォー kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
がんばれ!!ジブチくん!!
単なるテロ対策戦争映画とは言えないと感じた。まずは特殊部隊結成前の狙撃兵の寄せ集め感、それぞれが「人を撃ったことはあるか?」とか「テロリストも人間だ」などと人道的な側面を見せ、元教師のテロリストの内面も少し見せていた。相手が誰であれ、人は人。
そうした現場での狙撃兵とバスジャック犯を描きながらも、勇猛果敢に子どもたちの世話をすると乗り込んでいった女性教師ジェーンが眩しい。やっぱりオルガ・キュリレンコ(ウクライナ出身)はいい!痺れた。拳銃を持つ姿もボンドガール出身だけあってサマになっているのです。
テロリストの要求は政治犯の解放とフランスからの独立。結局のところ、翌年にはフランスから独立しているし、このテロリストたちの主張も通った形だ。しかし、ソマリア国境地帯には中立であるはずのソマリア兵が構えているし、KGBと見られる軍人もいた。国際問題へと発展しかねない局地戦ではあったものの後始末は大丈夫だったのか?
そんな現場での修羅場ともいえる15分間の銭湯は圧巻。単純に狙撃だけでは終わらなかったのだ。フランス政府側の態度も結局は20世紀帝国主義の負の遺産のような雰囲気で、ジブチ独立を阻もうとする態度がミエミエ。狙撃のゴーサインを出さないどころか、外交裏取引といいつつもソ連の影に怯えていただけのような気もした。
実際の事件を元にした作品なだけに、緊張感を得るためには知らずに見たほうが面白いと思う。人物の脚色も全体的にはいいけど、CIAのシェファーだけが違和感アリアリ。はっきり言って要らない人物。
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