「脱「壁の花」」リアム16歳、はじめての学校 つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
脱「壁の花」
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主人公リアムの母親クレアは壁の花だ。パーティなどで誰とも話すことなく孤独に過ごす人。日本風に言うなら「ぼっち」だろうか。
クレアにとって学校生活というのは辛く寂しいことなのだ。
リアムに対する愛情から、外の世界は害悪だといい、寂しい学校生活から切り離そうとしたため自宅学習をさせているというわけだ。
しかし、学校で孤独になったり、女の子と仲良くなれなかったりすることすら知らないリアムは、心を奪われた女の子に近付くため学校へ行きたがる。
クレアは、学校で経験するかもしれない、クレアが言うところの「害悪」をリアムに経験させようとする。自分も一緒に。
この一連のハチャメチャさが笑えるし、ちょっと大袈裟に描いているのもいい。
基本的にはコメディ作品であり、青春ロマンスものだからだ。
クレアは確かに青春を謳歌することは出来なかったのかもしれない。
しかし、学生時代にそうだったからといって「今」も同じとは限らないのだ。つまり、まだ青春、またはそれに準ずることは取り戻せるのだ。
学校の校長はクレアに熱烈なアプローチをしてくるし、クレアと同じく壁の花だったアナスタシアはパーティではしゃぎまくり、リアムとキスまでしてしまう。
リアムの短い学校生活は、順風満帆で楽しいことばかりではなかったかもしれないけれど、何事も経験しないことには先に進めない。
エンディングのあと、リアムに良いことがありそうだと思えるのは、作中で色々なことを経験したから。それを私たちは観ていたから。
今度のリアムはうまくやれるように思える。
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