劇場公開日 2019年9月13日

  • 予告編を見る

「戦争とは犠牲と恨みを生むもの」プライベート・ウォー うにたん♪(コロナが当たり前の世界)さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0戦争とは犠牲と恨みを生むもの

2022年1月3日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波

悲しい

誰かがやりたがって誰かのものを奪うためにする。
その誰かに関わりがない人は皆「あまり関係がないから」「自分に影響がないから」と無関心なものになっている。
戦争の悲惨さ理不尽さをジャーナリストとして戦争に飛び込みセンセーショナルな映像を撮ってくる。
戦争を起こす人間は安全な所からやっている。
戦争に参加した人間と戦場の人間は狂う。
当然、戦場記者も狂う。

作中のロザムンドパイク演ずるメリーも狂っていく。表情は病気のそれだ。
タバコは走ってる時以外は大概吸ってるくらい吸ってて異様だ
聞けば殺されそうな事を聞き出そうとし、歩いているだけで撃たれる所で取材する。
そりゃ狂う

こんな事が起こっている
こんな事を許すのか?
こんな事を誰がしているのか?
なぜ止められないのか?

あなたの隣の大事な人が
あなた自身が失われる戦争
それを望んだのは誰だろう?

独りの狂いかけてるジャーナリストの訴えでは限界があるだろう。
昨今にはネットによる情報もあるが玉石混淆…いやゴミ屑が圧倒的多数な情報で人間として必要なものとは思えない内容だ。

メリーの有り方、やり方は賛同出来ないし、身近な人なら「もう止めろ」「いつか貴女が死んでしまう」と思う。
戦場での取材は命のやり取りに他ならず、苦労して撮った映像をTVでお茶や酒飲んでる奴等に送った所でこの問題をどう取りかんがえてくれるだろう?

現在に於いても世界中で紛争が増え、身近にキナ臭さが漂ってきた中(2022年)こう言った作品が与える影響は大事だと思うが元々そう言った意識の高い人たちは観ているとして、それ以外の人達に観て共感してもらうにはハードルが高い世の中になった。(意識高い人が観るでしょとか偉い奴等が変えていく事)と無関心になった。

今のTVのニュースは知らされた事実だけを淡々と伝えて、流行りのYouTubeやTikTokなどはたわいもない情報で再生数を稼いでいるだけ。

作中、「自由になりたかった」と圧政から逃げ出した人間が出てくるが、上手く稼いだ人間が好き勝手出来て、搾り取られている人間が大半を占める世の中は諦めしか出てこない気がする。

戦場の映像がニュースで流れても、世界から争いが無くなる気配が未だにないから…。
あの世でメリーも泣いているだろう。

うにたん♪(DCPにも抜け穴あるんだ)