「一人の天才の誕生と崩壊を追ったドキュメンタリー」マックイーン モードの反逆児 ルナルナさんの映画レビュー(感想・評価)
一人の天才の誕生と崩壊を追ったドキュメンタリー
まるでBBCか、NHKみたいな、映画というよりはドキュメンタリー番組のようでした。
マックィーンという名前は聞いていたけど、なんだかロゴのイメージと全く違う普通のお兄ちゃんで、見た目少しも尖って無くて、ちょっと意外でした。
ショーの映像を初めて見たけど、この人は針とハサミを持った芸術家、ですね!本編でも言われてたように、洋服という立体で自己表現をする彫刻家であり、ショーでアイデンティティーを確立するパフォーマーでもあるかな、と…。
ファッションと呼ぶにはあまりに過激でダークなそのショーは、おぞましくも、堪らなく美しい。
天才とは、自分の内面から突き上げて来るモノを、カタチにして表現し、人々の心を打つことが出来る人。
人が目を逸らしたくなるようなグロテスクな内面や痛みを、美へと昇華させることができた彼は、やはり天才だと思う。
そして、イブ・サンローランでも見られた、天才故の創造の苦悩と孤独。
ドキュメンタリーとしては王道だが、彼の人と成りを知るには充分の作品であった。
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