「同性愛者 矯正施設の驚くべき実態」ある少年の告白 とえさんの映画レビュー(感想・評価)
同性愛者 矯正施設の驚くべき実態
これは観ていて苦しくなる作品だった
アメリカに実在する同性愛者の矯正施設について、驚くべき実態を描いた作品
まず、なぜ彼らは、同性愛者を矯正すべきと考えるのか
それは、神は男と女をこの世に作ったが、同性愛者は作っておらず
「同性愛者は悪魔によって異質な者にさせられた」と考えるからだ
主人公のジャレッドは牧師の家庭に育ち、彼がゲイだと知った牧師の父は、彼を矯正施設に送り込む
ジャレッドも、そんな自分に戸惑い、父に言われるままに施設に行くが、やがて本当の自分に気付いていく
そこから施設の実態が描かれるのだけど、もうあまりの酷さに驚かされるばかり
イジメでもあるし、拷問でもある、その施設の行き過ぎた指導に、子供たちも追い詰められていく
そして、そこで悲劇が起き、それを目の当たりにしたジャレッドはある行動を起こす
その中で、すごく驚かされたのは、ジャレッドの父も、施設の指導者たちも、ゲイを「依存症の一種」のように考えていることだった
普通に考えてみれば、そんなはずはないのに、どうしてそんな風に考えるのか
「人に恋をする」ということは、本来、とても素晴らしいことだ
それなのに、それを「依存症」のように考えることに悲しくなってしまった。
人を愛する気持ちは、親にも、牧師にも、神にも止める権利はない
「他人を許し、受け入れること」がキリスト教なら、人と違うことを受け入れる宗教であって欲しいと思った
主人公のジャレッドを演じるルーカス・ヘッジズがとても素晴らしいので、彼の演技にも注目して欲しい作品だった
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