マーウェンのレビュー・感想・評価
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そうゆう事だったのね。
おいおい、俺は何を見せられてるの?というところから始まる。あーなるほどとなりつつも“大丈夫かこいつ”と続き、ほっこりと終わる。
アメリカにもこんな優しい環境が有るんですねー。
ゼメキスならではの良い映画
ゼメキス以外の監督が作ったらレゴムービーみたくなっていたかもしれない。
が、そこは流石ゼメキス。
良い意味でゼメキスらしさが全面に出て、成功している良品。
映像の完成度も素晴らしい。
できればこの映画を見る前に戻って、もう一度初見で鑑賞したいくらい。
ただひとつ残念なのは、タイムマシン。
あそこまでするならデロリアンで、且つ例のテーマ曲に乗せてナンバープレート回転までやって欲しかったな。
妄想の世界に救いがある
ゼメキス自身による『バック・トゥ~』パロディまであって、見応え抜群。
主人公の心の内面を反映した、人形の芝居がよかったなぁ。
リアルな『トイ・ストーリー』っぽく。
人形のストーリーは妄想じゃん、と片付けずに観ていられる人にはたまらない内容で、かつ胸を締め付けられる展開。
とても丁寧に作られています。
PTSDの闘いと回復の物語。
全くの想像ですが、監督やスタッフがモデルとなった本人へのインタビューなどから、この作品のストーリーは映画的誇張を排して、なるべくリアル、且つ、丁寧に描こうという方針を立てたのではないでしょうか。
展開での盛り上がりに欠けるぶん、フィギュアの精巧さや映像技術(モーションキャプチャーなど?)を駆使したリアルな表現に時間と労力を費やしたように感じました。
変わらなかったもの
暴行の前後でマークに唯一変わらなかったことがある。
女性のヒールに対する気持ちだ。
収集したいというような執着心だろか。
ホーギー大佐と一緒にナチと戦う相棒たちが皆、女性でアマゾネスばりの強さであることを考えると、女性に対する何かリスペクトがあるのだろうか。
映画の中でも、マークは、こうした女性に対するリスペクトの言葉を話していたように思う。
それとも、女性恐怖症…だったりしてと、
イマジネーションは掻き立てられる。
ただ、マークがハイ・ヒールを履いて颯爽と歩く姿を見ると、ヒールで背筋がシュッと伸び、視線も高くなって、たとえ10数センチ程度でも、世界が違って見えていたのかもしれない。
僕は、ヒールを履いて歩いたことはないが、女性の皆さん、どうだろうか。
#KuToo で、ちょっとバッドタイミングな上映になってしまったところがあるのかもしれないが、女性が自ら望んで、颯爽と、かっこよくいられるのであれば良いような気もする。
マークのように、何か変わらず好きなものがあれば、そこから人の才能は膨らむのかもしれない。
いろんな分野で才能を発揮できるのかもしれない。
イラストでも、フィギュアを登場人物にした写真でも。
そして…、実は、マークにはもう一つ変わらなかったことがあるように思った。
それは、マークにもともと備わった優しさだ。
暴行をした5人を前にして、たどたどしくも、マークは、この人達はもう出てこれないんだから…と言っていた。
肝心な部分は聞こえなかったが、何か優しい言葉をかけようとしたに違いない。
ヒールで颯爽としてたら、優しくもいられるのだろうか。
颯爽としてれば、心も軽やかで、強くも、優しくもいられるのかもしれない。
デロリアンが登場した時には、バック・トゥ・ザ・フューチャーのワクワク感を思い出した。
この映画は、ゼメキスにとってのヒールのようなものではないか。
何か好きなものを大切にして、心配事はデロリアンで、遠い遠い未来に追いやってしまって、心を少し軽やかにして生きられたら、割と未来は明るく楽しいのかもしれない。
脳内ファンタジー
理不尽な理由で5人の男から受けた暴行によって記憶を失うと共にPTSDを抱えた男の話。
過去の自身のことは憶えておらず、後遺症により字を書くのもおぼつかない主人公がジオラマ写真家として活躍すると共に自分と向き合うストーリー。
上映開始直後の一瞬安っぽい映像に違和感をおぼえたが直ぐにそういうことかと気付く。
自分や周辺人物をフィギアに置き換えてジオラマの世界観を展開すると共に、現実世界でも向き合っていく。
主人公の様な経験はなく同情、同調は出来ても流石に共感は難しく、心情を理解出来たとは言い難いが、周りの人たちの優しさと思いやりや、主人公本人が一歩踏み出す勇気と変化は温かさを感じた。
My true love.(You came back for me.)
“IN THE SKY ABOVE BELGIUM DURING WWⅡ”、オープニングロールが終わるや否や、今まさにホーギー大佐(マーク)が操る戦闘機・カーチス P-40 ウォーホーク(通称:キティホーク)が被弾して墜落するシーンから始まる。“あれ~ッ⁉なんか変”と思っていると、そして、これはいったい何なんだと考えながら見ていると、主人公のマークが描く、ベルギーにあるとされる架空の町、マーウェン。模型で創作された町にいるフィギアのホーギー大佐と彼の相棒たちの6人?のバービー人形が、繰り広げる、悪の象徴のナチスとの戦いを主人公マークの世界観を再現しているということに気が付く。
What, are you queer and deaf ?(crossdresser:異性装に対する心ない言葉)
この映画は、ある日、ニューヨークのバーで、生死を分けるほどの傷害を受け、その後、肉体的にも精神的にも障害が残ったアーティストであるマーク・ホーガンキャンプ、彼が創り上げたホーギー大佐が活躍するフィギアの空想の世界と共に彼の半生を描いている。
しかし........!!
新聞紙Mountain Xpress に見られるように「 侮辱的で非人道的な悪夢は、監督自身のクリエイティブなプロセスを真に奇妙なものに見せている。」また世界を意味するスペインの日刊紙、El Mundo 、「 監督は観客を感動させようとするが、強制的なトーンと大げさなメロドラマを使っている。」に見られるようにあまり批評家からは支持がされていないのだが、その上、amazon.comのレビューでは「プロデューサー・俳優・監督は、この映画がどうなるべきかについて知らなかったようだ。犯罪演説が嫌いですか?女性はフェチを見せつけているし、バービー人形のヌードと暴力?一体何ですか?役者たちがこのゴミに主演することに同意したとは思えない。これを見ないでください、ばかげているだけです。」とあからさまな批判もあるけれどもシナリオがストレートに入ってくる監督の代表作であり、興行的にも大成功した「バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985)」とは違い、アーティスト、マーク・ホーガンキャンプの架空の世界観が、すんなりと感情移入のしがたいもので、どちらかというとオスカー6冠の「フォレスト・ガンプ(1994)」のような現実世界と視覚効果の違和感のない世界観の構築をするために、今作に使われているモーションキャプチャー方式の最新のVFXを駆使して、いつも監督が目指す映画作りをしたかったのかもしれない。あくまでも個人的な考えとして.....。
To Love. To Life. To the Women of Marwen.
黒澤明監督が“映画がほかの芸術に何が近いか?”との問いに即答で「音楽だ!」ということを思い出すかのように、ゼメキス監督も映画作りが音楽作りと似ていて、そこにはリズムが存在すると言っている。今回も「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で音楽を担当した、最近では「アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)」で知られるアラン・シルヴェストリ。この映画、監督自身の映画をオマージュしているかのような場面に、そこに欠かせない音楽が流れるのでファンなら必見となっている。
What did he say ?
"I never met a doll with such a gorgeous set
of torpedoes in my entire life."
-Such a charmer, that Hogie.
And you are the most thoughtful.........
generous, kind and beautiful woman
I have ever been lucky enough to know.
It would be my honor..........(涙)
ここに登場するフィギアの肌の質感や光の照り返し観、それとフィギアが着ている服の独特なごわつき観などエ~ッと思わせるほど精巧にしかも鮮やかに映像化されていて、一部には、フィギアらしくなく人間にどちらかというと近いという批判もあるけれども監督の追い求める映像であり、実際のマークが芸術家としての活動や人物像があまり描かれていないとかの批判もあるけれども、そこにはとてもおかしく、穏やかで、またその根底には人間のやさしさという、心を動かされる感動の映画として成立していると思われる。
監督がインタビューに答えて、「ドキュメントなどを読んで、この驚くべきマーク・ホーガンキャンプのいわゆる“healing journey”という彼のイマジネーションを作り出し、彼の抱えるトラウマの克服、彼の活動など感動をした。そのところで今までとは異なる画期的で初めてとなる役者の動きをそのままアニメーションに移すことのできるモーションキャプチャーを取り入れた。......(略)」また監督として「第一に役者が与えられた登場人物がその時に当然感じていることを役者に理解させることだ。」
アメリカでは、2018年のクリスマスに公開されるという映画会社の期待感の表れでもあった。
R.I.P.
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