「逃げるが勝ち。」英雄は嘘がお好き bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
逃げるが勝ち。
それでは皆さん御機嫌よう。
さらばじゃ。皆の衆。
右向け。右ぃーー!
もうね、このラストシーン、どう言い表せば良いの?思わず手を叩いてしまいそうになりました。兎に角最高w
そう言えば、すっかり忘れてました。クエンティン・タランティーノの「イングロリアス・バスターズ」。映画館をナチもろとも爆破するアレ。タランティーノの歴史捏造癖のアレ。メラニー・ロランって美少女役でしたよね、確か。が、今やキリリとした大人の女(美人さんは相変わらずです)に成長してる。昨年末はキアヌ・リーヴスとウィノナ・ライダーのマシンガン口撃ムービーにニヤニヤ。今年はジャン・ジュダルランとメラニー・ロラン。狙ってますよね。クリスマス前後に、大人の恋的なものをネタにしたコメディ。もう、これコメディとしては満点でした。
コサックの侵攻を食い止めるためにブルゴーニュ入りした大隊の将軍を前に、ウソを付き通すことはできないとあきらめたヌヴィルは、戦闘からの敗走、部隊が殲滅されていく場面を、ここだけマジに語り始めます。子供っぽい復讐のための策略がヌヴィルにとっては命の危機であることを聞かされたエリザベットは、良心の呵責か、はたまた実はヌヴィルに恋心を抱いていたのか。ここが、おフランス的にぼかされてたりする印象ですが。戦争の最前線の悲惨さについての語りは、この映画で唯一、心を引っ掻く場面。
この後、コサック(当時は帝政ロシアの体制に組み入れられていたので、正確にはロシアの先鋒隊と推測)の襲撃に1人で立ち向かう場面とか、カッコいいやんか!で、思いっきりクソ野郎だったヌヴィルの評価が一転して高騰するも、横一列で突進してくるコサックを撃退できるはずも無く。あーこれまでよ!と思いきや。ヌヴィルが語っていた法螺話通りに、援軍が現れて大砲ぶっ放してコサック撃退。エリザベットの恋心にも火がついた、と来たもんだ。
エリザベットとビジネス・パートナー契約を結び、マルチ商法を展開して行くかと思いきや。ヌヴィル大尉の元に戦線への招集が掛かりお迎えも来て万事休す。が、休しない。送迎兵士とは反対方向に馬で走り去って、おっしまい。続かない。と言うか、何なのこの男。ウソツキで、無責任で、ドスケベ。それって、ある意味、英雄的ではあるけれど、確かに、憧れるからね。
もうテンポ早いし、容赦ないし、人物の人格描写はメリハリあって期待通りのセリフを次々吐くし。判りやすくて楽しかった。メラニー・ロラン、髪はアップの方が絶対に綺麗です。
楽しかった!とっても!