「CG成熟の特殊効果では表現できない人の心の描写が詰まった映画」パリ、嘘つきな恋 侍味さんの映画レビュー(感想・評価)
CG成熟の特殊効果では表現できない人の心の描写が詰まった映画
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定期的に訪れるフランス映画欲と松竹が配給するフランス映画も珍しいと思って鑑賞。
昔はこの手の作品はシネマライズ辺りでお洒落な料理も添えられた素敵なパンフを片手にペリエを飲みながら観るのが幸せだったなぁとしみじみ思いつつ、ポップコーンとコーラで鑑賞。
主人公ジョジョの演技力もさることながら、脇役と呼んで良いのが彼の「自宅」なのではないだろうか?
ヒロインを食事に呼んで、気持ちが高まった時に押すリモコン。
ラブコメディだったはずなのに一気に美しい映画となった瞬間。浮かぶ蝋燭の光と、放射禅定に広がる赤いスカートが彼女の気持ちをうまく表現していた気がする。
双子の兄から、嘘のほつれがどんどん酷くなるのに対してそれでも隠そうとする彼の気持ちもわかる。
変わるのが怖かったんだよね。
彼女に一度振られて、日常を振り返り、物事の見方が変わって生まれ変わった彼が、苦しみながらうずくまった瞬間に差し伸べる手の力強いこと。
原題は最後に出るテロップの「立ち上がろう」だったと思うけど、現状を変えるべく自分自身に向き合って立ち上がる、そんな話と素敵なラブストーリーで41歳のオジさんも劇場で泣いてしまいました。
女性には勿論ですが、こういう映画をもっと多くの男性陣が観てくれれば、世の中は少し幸せになれる気がする。
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