劇場公開日 2020年1月31日

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「どこか、どうにか、修正したい。」AI崩壊 N.riverさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5どこか、どうにか、修正したい。

2021年11月7日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

カタチを持たぬAIだから、どう表現するかは見もので、
その辺りのネットワークのスケール感は現実になりそうで、いい具合にリアルで面白かった。
テーマはシンギュラリティであることに間違いなく、
暴走するAIを人間が説得、なんて人情解決策ではなく学習させる、
という比べてカタイ方法にほっとしもする。
しかしその恐怖や問題点を、最後、台詞で読み上げるのはちょっとどうだろう。
せっかく二時間見てきたので、そこで表現しきる方がスマートなのにな、と思う。
スケールは大きめで、伏線も細かく仕込まれていて凝っている。
なのに、全体的にテレビドラマっぽい作りで、そこがとにかくもったいなかった。

なんて素人がエラそうなことを言うとバチが当たりそうだけど、
どこか、なにか、どうにか修正したい本作。
(たとえば自身が手を加えるなら、写真を探しに戻った娘は暴走の混乱でしばし行方不明にして、承の尻で発見されて、主人公の感情へ煽りをかける、にするかな、とか。逃亡劇も場を絞って、逃げのワンターンを長めにしたら警察が賢く見えて、逃げ切る主人公ももっとキレ者に見えたかも、とか。最後の特殊部隊、あの陣形は相撃ちになるので絶対あかんよ、とか。安易さが削ぐ緊張感を削ってゆきたい)

一番感情移入できたのは、三浦友和さん演じる刑事さんだったかな。
存在感が、ぼやける全体をシメていたと感じている。

N.river