「討ち入りは計画的に」決算!忠臣蔵 Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
討ち入りは計画的に
某雪の女王もゾンビ映画も前作まだ観ておらず
これは予告何度も見たのでせっかくだから鑑賞
正直コレ系のテレビ向けの企画を映画化で予算
引っ張ってきました系の映画はバカにしてました
阿部サダヲの僕って面白いでしょ感が苦手なのも
ありますけど
結果・・
想像以上に面白かった
裏切られた
誰もが知ってる忠臣蔵
美談として語られがちですが
「忠臣」という言葉には裏がありまして
臣は忠義を尽くして当たり前
わざわざ忠を付けて忠臣と呼ぶ意味は・・
「暗君に使える見上げた(または呆れた)家臣」
という意味が実はあるのです
これを現代に見立ててバカな社長に仕えて
あえなく倒産にあった会社の残務整理に追われた
社員達とその意地をコミカルに描いていたと思います
経費を使いまくる外営業と経費を切り詰める内勤経理の齟齬
世相から来る世間の目、部下の不満
色々抱えながら大石内蔵助の苦悩が伝わってきます
・・が内蔵助もてきとーにガス抜きしてるので
同情の必要も無くゲラゲラ笑いながら見られます
驚くべきは当時の日本のインフレ経済
赤穂から江戸まで行くのに海外旅行くらいかかります
円で換算して色々な費用がチーンチーンとかさんでいく
様はなかなかスリルのある表現でした
経費は足りるのか?討ち入りは出来るのか?
終盤のヤマ場の表現はかなりうまいと思いました
最近伝記系の歴史としてネタバレは済んでいる作品が
増えてきましたが、だからこそ自由に映像で見せる余地が
実はあるんじゃないかと思うことがあります
この作品はキャストもベテランからアイドルお笑い芸人まで
様々ながら要所のキャストはしっかり押さえてあり
バランス良くまとまっていると思います
コミカルな演出も作品の雰囲気を壊してしまう
ほどではありませんでした
しいて言えば、じゃあ働いたらどれくらいの稼ぎ
だったのかというあたりも少し足して貰うと藩士達の
無駄遣いっぷりがもっと引き立った気がしますが
まあいいかな
あとは前述の通りこのシリーズを全部見てる人々に
とってどれくらい目新しさがあるかはわかりません
自分は初見でしたから
ひと頃お笑い芸人を監督に据えて
勘違い芸術映画を撮らせまくって駄作を連発してた
吉本ですが
お笑い芸人はコントやってますから役者は十分本分
それをふまえてスクリーンで活躍させる作りでした
芸人はやっぱり商売話と相性が良い
それに負けじと俳優勢も良かったです
妻夫木聡もずいぶん味が出て来たものだと
思いました
でもこれは思わぬ良作だったと思います
おすすめしたいと思います