「超える力」天気の子 N.Kentoさんの映画レビュー(感想・評価)
超える力
まず声優陣について
個人的には嫌いではないが
演技が上手くないとネットで言われている
本田翼の名前があってどうかなと心配していたが
そんな心配は甚だしく
キャラにとても合っていて
はまり役でした。
いつもいつも
レビュー書くとき
ほかの方はどんなレビューを書いているか
考察の参考にしてから書く臆病者です。
早速、あるレビューを見て思ったことは
キャラの設定に関して
もっと掘れたり突っ込めたりする点が
あるとのことですが
それを全部回収してたら主題が希薄になって
しまうのでこういう設定なのだという上での
物語としてしまっていいのではないかなと
思いました。
作品中で触れない
裏設定も設けてる監督でもありますし。
須賀の奥さんも天気の巫女説ありそうだなと思いました。
支持します。
須賀の挙動含めての
作品のテーマ・メッセージな気がします。
… … … … … … … …
まず新海監督得意な細かくリアリティのある
描写はさることながらそんな描き方をするのかと
そんなカメラワーク的な要素を盛り込んでくるのかと
驚きました。
音楽も前作以上に
物語に寄り添い、彩り、
台詞がなくてもメロディで詞で
その情景や人情を奏でていて
新海監督・RADWIMPS共に
前作の自分たちをさらに超えてきたのを強く感じました。
後半は「愛にできることはまだあるかい」の
曲・メロディで大半のBGMが構成されていて
雨空・曇った東京を描写しているようで
そんな天候を打ち破ろうと我が身を犠牲にした
陽菜を連れ戻しに行く帆高。
その一時の晴れ間を描写するかのような一曲。
「グランドエスケープ」
東京は長い雨に包まれ
「愛にできることはまだあるかい」の世界と
二人だけの晴れた日に包まれた逃避行
「グランドエスケープ」の世界
現実から背いた二人という構図を想像できる。
またとても印象的だったのが
「愛にできることはまだあるかい」の一節
「僕らは 醜いかい?
それとも 綺麗かい? 答えてよ。」
が帆高と陽菜二人の世界のことを無視した
自分勝手な行動のことを問うてる意味。
また、
エンドロールで響いてくる同じ詞は
新海監督また作品つくったよ、
しかもまたRADWIMPSと組んで作るみたいだよ、
けど互いの映像・音楽に愛をもって愛で答え
作り上がったこの作品、どう?
そんな意味も含みがあるように感じました。
君たちには
世界を大きく変えうる力を持っている。
世界のためにそれを使わなくてもいいし
自分たちのためにそれを使ってもいい。
けど仮に大きく変わってしまった世界は
そんなに悪いものかい?
けどそもそも君のせいかい?
そんなメッセージを受け取りました。
… … … …
パンフレットに記載されている
新海監督のコメントより
世界情勢、気候変動、昨今の世界は
加速度的に色々が変わってきていて
その一因としては
昔からの1人1人の選択の積み重ねで
いまこの時間に生まれ若者からすれば
最初から「世界は狂っていた」、
世界の形など選択もしようはなく生きていかなければならない。
そして狂い始めたものを
戻すにはそれ相応の時間がかかり
調和のとれた世界など到底叶わない。
世界の歯車に逆らい身を滅ぼすことよりも
この狂った世界を生きていく。
「天気なんて、狂ったままでいいんだ」
このセリフはそんな思いから生まれた一節だとのこと。