「青空は人の願いから現れるもの」天気の子 takaさんの映画レビュー(感想・評価)
青空は人の願いから現れるもの
「君の名は。」が邦画歴代2位の興行収入を叩き出し
監督の名前で集客が見込めるほど新海誠自身の名も広めた。
3年の月日が流れ日本では梅雨空に覆われた
この時期に「天気の子」が公開された。
ぜひこの時期、梅雨が明ける前に劇場で見て欲しい。
離島で暮らしていた穂高は親元を離れ船で
東京へ向かう途中、大人の男性・須賀に出会う。
穂高は東京で暮らすが、うまくいかず早速路頭に迷い出す。
そこで頼りにしたのが須賀であり彼の仕事を手伝うことになり、
都市伝説となっていた「100%晴れ女」を探すことに。
「君の名は。」でも描かれた「神道」的モチーフや
大自然と人間とのつながりが根本にある。
また今作は大人たちが作り上げた社会へのアンチテーゼも含まれ
穂高がネカフェで読むのはサリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」
親元から離れ一人で生きようとする部分も加えて
今の大人社会への反抗が内側にあることを思わせる。
ヒロインの陽奈と弟の凪は親を亡くし子供だけで
生活しており、大人社会に馴染めずにいる。
須賀や夏美、警察、ポン引きの男など大人たちは
自らの生活を守るため、ただ生きている。
この映画を観るにあたり、穂高のように直感的に
直情的にすべてを投げ捨てて走り出すことは
今の大人たちにはできないのかもしれません。
世界が狂ったとしても自分のわがままで走り出せるのか。
その答えは本編内で大人たちが答えてくれます。
IMAXで鑑賞しましたが、挿入される音楽も非常に素晴らしく
後半の流れでは音楽が流れるたび鳥肌モノでした。
名作アニメには必ず美味しいモノを食べるシーンが
あると言っても過言ではないと思うが
今作も間違いなくそのシーンがある。
「時をかける少女」「君の名は。」のように
まっすぐまっすぐ一生懸命走る姿はなんと見ていて
気持ち良いのだろう。