「そんなに期待値は高くないつもりだったが」天気の子 接客業(26)さんの映画レビュー(感想・評価)
そんなに期待値は高くないつもりだったが
君の名は。という前提があるのを踏まえても期待をし過ぎていた節があったんだと思う。
予告を観た限りでも声優陣にまったく期待はできていなかったし、キャラクターの魅力もあまり感じていなかった。そして前作として構えている君の名は。これはあまりにも完成度が高過ぎていると思っていたのでまさか君の名は。と同等、それ以上だとは露ほども思っていなかった。しかしそれでもここまで落差があるとは…。
まず先述した声優陣だが、名指しで本田翼が公開前は酷評されていたと思うがその過程があったからこそ「思ったよりは」違和感なく観れたかと思う。しかし、思ったよりは、というところで本田翼、小栗旬、このお二方はアニメーションの中では違和感が強い方かと思われる。
ただただ、声だけであればとても魅力的だとは思うが人には向き不向きがあると思う。だけれどそんなものは私のような素人よりプロの方がわかるはず。どういう意図の人選なのかが知りたいところ。
穂高、夏美、須賀の3人のシーンでは声のバランスがおかしく、少し気持ち悪く感じた。
次にキャラクターの魅力についてだが、主人公達に感情移入できるところもあまりなく、またなにか目的のようなものがあるのかも不透明で最終的には、穂高は若気の至りの家出、陽奈は東京を晴れにする使命があるけどそこまで現実的に受け止めていない、そんな風に受け取れたので魅力を感じることはできなかった。
それに2人の恋愛模様も不可思議と出会った高揚感を恋愛感情と間違えているだけのようにも見えた。若いってこういうことなんだろうな、と途中から客観視していた。
また、夏美、須賀、凪等、好感を持てるキャラクターはいたがいまいち主人公達がパッとしないのでこちらのキャラクターが立ってもなぁという感じ。
刑事などは何故キャラを立てたのかわからなく、不愉快だった。
君の名は。のキャラクターと再会できたのは嬉しかったが、今回の出来だと頼っている感が否めない。せめて出すとしても瀧だけにしてほしかった。個人的には全員集合で嬉しいところもあるが。
そしてストーリー。
他の面でも思ったが、制作時間が足りなかったのか?と思う。穂高の家出の理由(感情移入できていれば違ったのかもしれないが)、陽奈の力に対しての覚悟の無さ(深く考えずに使い続け、覚悟もないのに、晴れにしなきゃいけないからなどと言い澱む)、3人の逃走の浅はかさ(16歳はここまで向こう見ずだろうか?)、銃のでどころのうやむや感(キーアイテムではないのか?)等まだあるだろうがこのあたりでもう見切りをつけていたのかもしれない。
酷評ばかりだか、穂高がパトカーの中で、誰も何も知らないくせに晴れを享受していることに対して憤慨している姿には涙を誘われたし、年下の凪を先輩と呼ぶ穂高も可愛らしくおもしろかった。また年上女性か、と思っていたところに陽奈の年齢詐称でやられた、とも思っていたし楽しめなかったわけではないが、いかんせんどうも自分の期待値が高すぎたのだと思う。
また、締めの部分も穂高の選択を周囲の人間が認めるシーンがあったが、これは制作サイドを穂高として見ればいいのか?と観ながら皮肉るくらいだった。再会シーンすら感動はほとんどなく、正直このハッピーエンドにショックを受けていた。
まだ書き足りないところもあると思うがとりあえずここまで。
RADWIMPSの音楽については私個人がRADWIMPSのファンであることをふまえ何も言わないが、この映画に対する評価がイコールではないにしろRADWIMPSの評価につながってしまうかと思うとなんとも言えない気持ちになってしまう。
反対の意見ですいません。新海誠監督はデビューから2人の愛と世界の破滅の関係するセカイをテーマにしているので、「天気の子」はメッセージがダイレクトに伝わってきて最高でした。「君の名は」は、本当に死ぬほどストーリーを考えに考え抜いて、多くの人に予定調和の共感と感動を呼んだ名作ですが、「天気の子」の方が新海誠のメッセージがダイレクトで断然好きです。
家出って何となくしません?
自分、なんか気分でふらっとどっか行きますけど。
あと何でもかんでも現実と繋げちゃダメっすよ。「アレはそういう世界。自分たちの生きる世界とは違う世界。それを垣間見てるんだ」って。
現実的なことを求めるならアニメは見ない方がいい。
家出もなんとなくだもんな、
16歳視点で見ると、犯罪犯しても少年法で、守られてるーって映画。
自分が死んでも助ける、という感動系と違い、安全圏で助けるという浅い話