「内容こそ違いますが、前作同様面白く鑑賞出来ました!」天気の子 おっとっとさんの映画レビュー(感想・評価)
内容こそ違いますが、前作同様面白く鑑賞出来ました!
独りよがりで浅いレビューになってしまうかも知れませんが、感動を抱かせてくれた作者への敬意も込めて感想を綴ります。
「君の名は」の大ヒットを経て公開された本作はどうしても期待値も大きく、自分自身それくらい面白いのかなとの思いを抱いて映画館へ向かいました。
個人的に抱いた感想としては前作のような「伏線・設定の緻密さ」より「登場人物の人物像・感情表現」に注力されている作品なのかなと思います。
特に自分は働く大人のもつ「乾いた倫理観」に対し、子供のもつ「青臭い感情」の大切さを描いているように感じました。
帆高の家出した理由、拳銃がゴミ箱にある理由、陽菜の母親が亡くなった時になぜ児相が来てないのか、など列挙すれば疑問点は尽きません。
しかし、東京に来て初めて優しさを貰った陽菜とその能力を使って幸せを描くストレートな展開はワクワクしましたし、間違いだと思いながらも世界ではなく陽菜を助けてしまう帆高の「青臭さ」に感動を抱きました。
それ以外にも、就活中でありながらも内定がなくまだ働く大人の倫理観のない夏美が主人公を手助けする事、最初からつまらない大人と形容されていた須賀が大人の意見を述べた時自然と涙が流れた事、最後には大人になりきってしまった刑事たちから須賀が帆高を自由にするシーンなど前述した登場人物の倫理観と青臭さの対比が随所に描かれています。
自分も三十路となり、いつの間にやら社会や周りの顔色をみたり言葉から相手の思いを想像してしまいます。
中々青臭さを貫くのは難しくなってますが、帆高が世界を変えた責任を感じてもお前のせいじゃないと背中を押す青臭さを持った須賀のような大人。
そして雨は降り続きながらも最後に陽奈と再会できる変わってしまった後でも存在する優しい世界。
新海監督の描く「優しさ」と「青臭さ」に満たされた本作には、巧みに描かれた感情描写の中に眩しいまでの青春が描かれていて、鑑賞後じんわりとした穏やかな感動に満たされてしまいました。
色々な意見はあると思いますが自分は今作も素晴らしい作品だと思います。
新海監督に今後も前作・本作と同様やそれ以上の作品を作って頂くことを期待しています。
自分にその青臭さが残っているかは分からないですが、まずは周りの若い人たちの背中を押して上げれるようにしたいなと思いました。