「後から良い映画だったかもとジワジワくる」ファイブ・ウォリアーズ つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
後から良い映画だったかもとジワジワくる
観終わって最初に、この作品は西部劇なんだなと思ったら解説にもそう書いてあった。
南アフリカで西部劇ってなんだよと考えるかもしれないが、イタリアにはマカロニウエスタンなるものがあるし、日本にも黒沢明の「用心棒」などは西部劇といってもいいだろう。
つまりもう死にかけのジャンルではあるがアメリカ開拓時代の西部を舞台にした作品というよりは、主人公が命をかけて悪者を倒し何かを守る。派手なアクション、対決シーンがある。哀愁漂う。砂ぼこりが舞う。こんな感じならいいんじゃないかと思う。
うーん、「男たちの挽歌」にウエスタン感がなくて「イコライザー2」にウエスタン感があることを考えると、野外での対決シーンがもっとも重要かもしれない。
そういう意味で本作はちゃんとウエスタンだったけれど、事前に思ってた感じとなんか違うというか、予告編とか見ると五人の男が町を救うために戦うアクション映画を期待するよね?
それで間違いってこともないんだけど、作品冒頭に登場するファイブフィンガーズは邦題のファイブウォリアーズとは別の人だし、ジャケットに写っている人たちはファイブフィンガーズでもファイブウォリアーズでもないごちゃ混ぜだし、何が言いたいかっていうと、悪い方向に予想外の展開すぎた。
しかし、原題をみるに本当は、ファイブフィンガーズを名乗る少年たちの顛末をウエスタン調でみせるアクション作品だったわけで、予告編と邦題に騙されず冷静に判断すればちゃんとした作品だった。
邦題でミスリードされちゃうから難しいけれど、全く何も想像しないで観たら普通にウエスタンとして楽しめると思う。
もし何かを想像してしまったのなら、お前が戦うのかよとか、お前は戦わねーのかよとか、何で戦うんだよとか、激しくツッコミながら観ると面白いかもしれないが、その場合は星2くらいの総合評価であると覚悟すべし。