「「そっちのほう」が怖い」ザ・マミー maruさんの映画レビュー(感想・評価)
「そっちのほう」が怖い
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姿形が腐りきっている得体の知れない異界の者より、街なかを歩くふつう人間の方が断然怖い。そういうメッセージ性のあるホラー映画。
社会派なストーリーに乗せてるからこそ際立つ「人間の怖さ」を「異界の者の怖さ」と比較している。現実と非現実。怖いのは、現実。
しかしながら、最後、女の子が草原を歩くシーンは、どうしても彼女の死を連想してしまう。ゴーストタウンから緑豊かな大地への場面転換は、不自然に感じた。
最初から死んでいたのか?いや、そうするといろいろ説明がつかない。となれば、異界の者たちが、御礼として彼女を「良い場所」へ“その力”で誘ったのかもしれない。
…という物語を、現実世界で実際にこの地域に住む人たちが観たら、どう感じるだろうか。
警察も当てにならない、守る者もいない。孤立無援で仲間を作り、身を寄せ合い、守り合わなければ生き抜けない。いつ死ぬかもしれない現状に、大人ですら希望をもてない環境下で暮らす子どもたちは、どう生き抜けばいいのか。現実世界にこういうことが起きている。それを考えると怖過ぎる。
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