「監督は正しいんだけど・・・ソウジャナイ」モンスターハンター よっちゃんイカさんの映画レビュー(感想・評価)
監督は正しいんだけど・・・ソウジャナイ
ゲームは一作だけ買ってそれなりにやった事があるだけ。
あとは実況動画なんかを見たりしているのでモンスターそれぞれの特徴なんかはパッとは言えないが雰囲気はわかってるつもり。
その上で見た。
先にも書いた通りモンスターに関する知識は皆無に等しいので「リオレウスだ!!」というような興奮は自分の中ではなかった。
ただ、これは僕の知識がないだけのことで別に問題ではない。
その上でなのだが、時々「あれ、このゲームってホラーゲームだっけ?」と思うようなシーンがあった。
これは監督は間違ってはいないとは思う。
確かに冷静に考えれば自分の何百倍も大きなモンスターと戦おうとすると犠牲者が出ても当然だし、その捕食シーンが描かれたって良い、いやむしろそこを描かないと“嘘”になってしまうことも頭ではわかる。
ただ、どうしてもゲームのあのワクワク感が胸の中にある身としては「モンハン???」とならざるを得なかった。
繰り返していう。
監督は正しい。
ストーリーを異世界転生物にしたのも、まぁ間違った考えではないと思う。
別になしではないが・・「うーむ。」とならざるを得ない。
どこでそうなるのかを考えた時一つ思い当たるのは軍隊が持つ武器だ。
異世界に迷い込んでディアボロスと対戦する時しきりに銃を撃って対抗しようとするがこれが全くディアボロスに効かない。
そしてディアボロスとネルスキュラになす術なく殺されていく隊員たち。
もう少し、ネルスキュラやディアボロスを怯ませたり、ネルスキュラの1体ぐらい討伐する活躍が欲しかった気がする。
いや、これも理屈から言えば監督の方が正しい。
現代の兵器では太刀打ちできない敵が現れるからこそ異世界といった感じが強まるしモンスター討伐の難しさもわかる。
でも、それでも、一体くらい討伐して少しの気持ちよさが欲しかった。
じゃないと序盤からモンスター怖いの一辺倒でゲームをやっている時の感覚とかけ離れている。
あと、これは完璧に監督ではなく日本の宣伝ミスなのだが、僕は最初異世界に迷い込んだ分隊が元の世界へ帰還する物語だと思っていた。
ところが最初のディアボロス・ネルスキュラ戦で主人公以外全滅。
この時点で勝手に気が滅入ってしまった。
後、ハンターと主人公の戦闘シーン。
あれは全く意味がわからなかった。
バディにするには喧嘩させないといけないという縛りでもあるのか、とそれくらい無理やり差し込まれたもののように思った。
が、これもよく考えると監督が正しい。
突然やってきた言語通じない変な服装をして変な武器を使う人間を受け入れるわけがない。
冒頭、ディアボロスたちに向けて矢を放っていたのも、軍隊を救うというよりはモンスターを討伐したいだけ。
わかる、わかるのだが、見たいのはそれじゃないと思ってしまった。
後、モンハン世界のオリジナル言語。
世界観の一つとしてはなかなかいい物だと思うが、自分が耳慣れない言語を前にすると人はそれを理解するためにかなりストレスになるのだ。
それを強く感じた。
せめて字幕でも出してくれればストレスは軽減されたかもしれないが、まぁ役者の動きや表現でわかるだろうという監督の意図もわからないでもないのだが・・・
ただ、原作の小ネタなんかは面白かった。
特にアイルーの調理シーンはなかなか。
だからこそ、もう少し早くアイルー達と合流してくれれば、と。
後、これは純粋な疑問なのだが、原作では受付嬢は狩りに同行してましたっけ??
とにかく、監督のやりたいことはわかるし、間違ってもないが、これがモンハンかと言われたら首を傾げざるを得ない映画だと感じた。