「もっと面白くできただろうに」モンスターハンター アラカンさんの映画レビュー(感想・評価)
もっと面白くできただろうに
字幕版を鑑賞。バイオハザード5部作を完結させたアンダーソン監督とミラ・ジョヴォビッチの夫婦が、新シリーズに取り組んだということらしい。個人的にゲームのバイオハザードは相当やり込んだ方だが、モンハンは全くやったことがない。バイオハザードの原作忠実度はかなりいい加減だったので、本作もおそらく似たようなアプローチなのだろう。
モンスターのクォリティは非常に高く、砂漠を海水のようにして近づいて来るところなどは非常にリアルで感心した。地下世界がエイリアン風なのは、まぁ仕方があるまい。説明的なセリフは一切ないので、この世界のルールなどが分からずかなり疎外感を感じた。戦闘シーンは迫力を出すためだろうがカット割が細かく、コントラストが強いので誰がやられたのかがかなり分かりにくかった。
脚本はかなり問題があると思った。まず、窮地に追い込まれた人間を手助けしたのではと思われたキャラが、言葉が通じないにしても助け合いのシグナルを示すべきだろうに、いきなり命懸けの戦闘を開始するので面食らう。相手が大切にしているように見える慰霊の品らしいいものを薄ら笑いを浮かべて破壊しようとするミラの姿は、湾岸戦争でイスラム教徒を虐め尽くしたアメリカ軍そのものに見えた。
世界の美女ランキングで常に上位に顔を出しているミラの美女オーラをほぼ封印した見せ方はかなり意外だったが、バイオハザードでも似たようなものだったかもしれない。タイ人俳優は頑張っていたし、エイリアン4で非常に印象的だったロン・パールマンが印象的な役で活躍しているのも好感が持てた。
音楽はかなり健闘していたように思った。前半で人間同士の戦闘を延々と描く必要はなかったように思う。むしろ早いうちに仲間にしてしまって絆を描いた方が良かったのではないか?その過程で世界のルールなどを分からせた方が良かったのではないかと思った。
(映像5+脚本1+役者3+音楽4+演出2)×4= 60 点。