「【”仲良しのばあばが”忘れちゃう”病気にかかってしまい、困惑し、悲しむ孫を演じた寺田心君の渾身の演技が身に沁みます。ばあばを演じた冨士眞奈美さんの認知症に罹患後の鬼のような演技にも、頭が下がります。】」ばあばは、だいじょうぶ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”仲良しのばあばが”忘れちゃう”病気にかかってしまい、困惑し、悲しむ孫を演じた寺田心君の渾身の演技が身に沁みます。ばあばを演じた冨士眞奈美さんの認知症に罹患後の鬼のような演技にも、頭が下がります。】
■ちょっと弱虫な小学生の翼(寺田心)は、喜寿を迎えたばあば(冨士眞奈美)とお父さん、お母さんの4人暮らし。
ばあばのことが大好きな翼は、学校でいじめられては、ばあばに助けてもらっていた。
ある日、ばあばは同じ質問を繰り返すようになり、得意だった編み物もできなくなり、明かにおかしな兆候が出始める。
◆感想
・この映画は、認知症になった大好きなばあばを心を痛めながら見つめる小学生を圧倒的な演技力で演じ切っている寺田心君の演技力に支えられている。
ー 手元のフライヤーによると、彼はこの作品でミラノ国際映画祭の最優秀主演男優賞を受賞したそうだが、納得である。-
・又、やさしいばあばを演じた冨士眞奈美さんが、認知症に罹患し、人が変わったかのように周囲に当たり散らす鬼のような演技にも、頭が下がる。
■悲しみに暮れる翼が、ばあばが大切にしている箱の中に入っていた多くの紙切れ。
そこには
・トイレは廊下の奥
といった認知症を自覚していた事が分かる様々なメモの中に
・翼は良い子
・翼は大丈夫・・。
というメモが大量に入っていたのである。それを見た時の翼の表情が切ない。
<今作は2018年の映画だが、ご存じの通り、現代は更に高年齢化が進み、認知症問題は更に深刻化している。
コロナを何とか封じ込めつつある世界の医療で、認知症の進行を止める、もしくは未然に防ぐ画期的な新薬が開発されることを願っている。
それにしても、寺田心君が出演している映画は初めて見たが、感情の起伏の表現などを含め、凄い子役さんである。
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