「煌めく青春物語と大胆なSF要素を緻密に構成した挑戦作」HELLO WORLD 水陸両用水戸黄門さんの映画レビュー(感想・評価)
煌めく青春物語と大胆なSF要素を緻密に構成した挑戦作
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緻密によく練られた物語にSF的な要素を丁寧に組み込んでおり、男女の青春物語としてもSF活劇としても楽しめる映画でした。
映像表現もアニメとして高い次元にあり、見応えも十分。
仮想現実が飲み込まれてくところはインセプションのようなダイナミックさがあり、グッドデザインから様々なものを生み出すシーンはどこかで見たような錬成術感もあり、堅書くんがアルタラの世界から飛び出していく場面も量子世界をアニメーション技術を駆使して思い切って描いており、それだけでもスクリーンに食いつかせる魅力がありました。
仮想現実とタイムトラベルというSF感の強い要素も多重構造や事象によって生じる歴史の修復機能といったアンチテーゼ的事柄を描くことでチープにならないよう描かれていたのではと思います。
物語としても特に中盤以降からは先の読めない展開が続いていき、そこに仮想世界の真実やキャラクターの葛藤などが織り交ぜられながらテンポよく進み引き込まれていきました。
ただやはり全体を綺麗に解釈しきることが難しく、一度見ただけではキッチリと楽しみきることが出来なかったかなとは思います。
しかしそれは考察のしがいがあるということでもあり、理解が進めば進むほどに発見のある映画でもある とも言えるかもしれません。
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