「ドウェイン&ステイサム as ホブス&ショウ」ワイルド・スピード スーパーコンボ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
ドウェイン&ステイサム as ホブス&ショウ
まず、邦題について一言言いたい。
これじゃあほとんどの人がシリーズの新作と思って観に行ったのに、ドミニクたち出てないじゃん!…と勘違いの声が続出しそうじゃないか!
普通に『ホブス&ショウ』もしくは『ホブス&ショウ ワイルド・スピード』じゃダメなの…?
…と、まあ、配給会社には届かないこんな素人意見なんかどーでもいいとして、
と言う事で、
興行もスケールもアクションも面白さも爆走し続けるこのお馴染みの人気シリーズに、“別車”登場!
今回ドミニク・ファミリーは一旦車庫でお休み。代わりにハンドルを握るのは、(もう先に言っちゃったけど)ホブス&ショウ!
ルーク・ホブス。
元FBI捜査官。現米国外交保安部捜査官。
『~MEGA MAX』で初登場。ドミニクたちを徹底的に追い詰める強敵だったが、やがて確固な信頼を育み、“ファミリー”に。
プライベートでは良きパパ。
デッカード・ショウ。
元英国特殊部隊員。現殺し屋。
『~EURO MISSION』のラストで初登場、『~SKY MISSION』で対決。
弟を倒したドミニクたちに復讐する悪役だったが、『~ICE BREAK』でまさかの共闘。
ママに頭が上がらない。
二人共、シリーズには途中参戦。にも拘らず、すっかり名物キャラに。
それもその筈。だって二人共、並みの人間じゃねぇ!
二人のタフさやパワーは、並みの人間の倍…いや、3倍4倍!
繰り出される大暴れアクションは、お口あんぐり仰天必至。
ビルダイブ・アクション(普通死にます)、トラックの隙間や車下をすり抜けるカーチェイス(普通死にます)、鉄壁の敵基地侵入からの脱出アクション(普通死にます)、そしてクライマックスの車でヘリを“釣る”崖っぷちスレスレのアクション(普通死にます)!
もはや超人…いや、スーパーサイヤ人級!
この二人と言えば、“口擊”もお楽しみ。今回も絶“口”調!
罵り合い、いがみ合いながらも、組む時ゃあ組む!
これぞバディ・ムービー!
桁外れ過ぎて、リアリティーの欠片もナシ。
だけど、何故か許せちゃう。
何故なら、
だって、ドウェイン・ジョンソンだもん。
だって、ジェイソン・ステイサムだもん。
この二人がバディを組んだW主演アクションだもん!
当代きってのハゲマッチョ・タフガイスター!
思えば、この二人が『~SKY MISSION』で初顔合わせ&初対決した時からワクワク興奮! 奇しくも昨年はお互い“モンスター”を相手にし、そして今回最強タッグ!
だから見る側は、並みのスーパー・アクションじゃ満足しない。もう、とんでもねー!ありえねー!くらいのスーパー“MEGA”アクションじゃないと!
その期待とド迫力と大暴れは、これでもか!…というくらい満たしてくれる。
最高のファンサービス!
そんな二人と対する敵は気の毒…いやいや!
自称“悪のスーパーマン”。
ショウと因縁ありのテロリスト、ブリクストン。
謎のテロ組織“エティオン”開発のスーツと肉体改造により超人化。敵に不足ナシ!
イドリス・エルバが強敵として二人を苦しめる。
熱気ムンムンの男面子が揃うと、“華”が欲しくなる。
MI6の敏腕エージェントにして、ショウの妹! ハッティ役のヴァネッサ・カービーがクールビューティー!
ウィルス・テロを企むブリクストンらが狙うウィルス兵器をある“内”に隠す。それは…。
男二人女一人の掛け合い/やり取りはエンタメ映画の鉄板だが、シリーズのお約束要素はしっかり織り込まれている。
昔は仲良しだったのに、今は別の道を歩むショウとヴァネッサの兄妹。その和解。
ある理由から家族と故郷を捨てて25年。藁にもすがる助けの力として帰郷し再会したホブスと一族。その和解。(ホブスの母親がさすがパワフル・ママ!)
ホブスの娘やショウのママ(勿論ヘレン・ミレン!)も引き続き登場するし、この“ファミリー愛”はスピンオフとは言え、『ワイルド・スピード』の代名詞。
サプライズなSPゲストも。これらにも、監督や共演繋がりのファミリー感。
とにかく、大ボリューム・アクションの130分強!
普通のアクション映画だったら、敵基地脱出アクションでクライマックスな盛り上がりだが、本作はそれが中盤。
もう、どんだけのアクション!アクション!アクション!の連続なんだよ!
だからと言って中弛みはせず、『アトミック・ブロンド』『デッドプール2』の監督デヴィッド・リーチのキレッキレ怒涛のアクションが炸裂しまくる。
すでにちらほら言われているが…、
これは本当に『ワイルド・スピード』なのか…?
車を使ったアクションはあるものの、もはやすっかり某スパイ映画ばりの世界を救うミッション・アクション映画。と言うより、今回はSFアクションの領域に入りつつある。ストーリー性はほぼゼロ。
当初のストリート・レースは完全に皆無で、これが『ワイルド・スピード』本家だったらちと問題だが、本作はスピンオフ。
派生して、どんなアクションが描けるか。
快テンポ、全編フルスロットルのアクション!
迷…いや、名コンボのホブス&ショウ! そこに、美女。
立ち塞がる強敵と危機!
ド迫力のアクションの最後は、己の拳と肉体で決着というのが、男なら燃える。
そして、ファミリー愛…。
今夏も話題作多いが、単純明快痛快スカッとなハリウッド・アクションは本作くらい。
とことん楽しめればそれでいい。
本作はこれでいい。これでいいのだ!
本家の第9弾も楽しみだが、こちらの続編にも期待。
だって、面白れーかったもん!