「俳優は魅力的なのに…」ワイルド・スピード スーパーコンボ nobu0612さんの映画レビュー(感想・評価)
俳優は魅力的なのに…
まずワイルドスピードかと言われたら、全くの別物。
シリアス傾向だったicebreakからの急ハンドル。
つまらないわけではないが、持っているポテンシャルを活かしきれていない印象を受ける。
134分という尺に対して、話が止まってしまう時間が長すぎる。今回はホブスとショウのかけ合いがメインな訳だが、もう少し工夫が必要だと思う。特に飛行機に搭乗してから妹に手を出す出さないまでの件は必要性を感じない。
プロットに関しても、主人公である2人が家族を守ることを行動原理とする点で通ずるようにしたのだろう。ただ、ショウに関してブリクストンとの関係の中でハッティを守りたいに繋がるのはまだいいが、(ハッティが抽出機を付けて戦いだした時はどうかしてると思った)ホブスの家族の話はシリーズでそこまで語られていなかったため、どうしても取ってつけたような内容に感じてしまう。加えて、その過去のことについても言葉で説明を済ませてしまう。だから家族との確執がどれほどのものなのかがピンとこないまま進んでしまっている。
肝心のアクションシーンはワイルドスピードお馴染みのインフレ状態でお腹いっぱいになるが、どれも味付けが濃いために話が進むにつれて食傷気味になる。今回はバディものだから仕方ないのかもしれないが、ラストの車が連結してニトロを稼働するシーンは、運転しているそれぞれのキャラをもう少し描いていれば、さらにアガるポイントだったはずである。本シリーズは、メンバーの個性を活かした戦い方をするからこそ魅力的だったのだから。
そもそもワイルドスピードの世界観にバイオテロだのサイボーグだのといったSF要素は食い合わせが悪いのではないだろうか。
要素を詰め込みすぎたために薄口になっているのが非常に残念。