劇場公開日 2019年7月12日

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「主人公ツリー(Tree)の名前の由来って」ハッピー・デス・デイ 2U ハルクマールさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5主人公ツリー(Tree)の名前の由来って

2024年8月25日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

Fault Tree Analysis(FTA : 故障の木解析)から来てるんかな。だとしたらオシャレ過ぎやな!

舞台は前作の舞台の翌朝19日の火曜日。カーターとツリーに部屋を追い出されたイナズマ純也くんことライアンが仕方なく寝床にした車の中で目覚めるところから始まる。
寮に向かって歩いて行くとおば様の連れている犬にワンワン吠えられ、植え込みの陰からいきなり現れて募金を募られ、なんかいろんな細かいイベントを見聞きしながら寮の部屋に戻ると、カーターとツリーがキスの真っ最中でまたもや部屋を追い出される。

この展開、前作を観た人ならもうピンときちゃうと同時に、え?今回はイナズマ純也の方なんかーい!となる。絶対またツリーがと思うやん。

ところがこのイナズマ純也君、実は結構ゴリゴリの理系男子で、学校で怪しげな装置をサモサ君とパーマ眉毛女子と三人で稼働させようと日夜調整を続けている。機械の仕組みやらなにやらはメンドクサイのだが、とにかくでっかいエネルギーを発生させる感じの設備で、例の18日の夜に突然稼働していたらしいことが分かる。これは、例のタイムループと関連があるのか。

謎のタイムループの輪に巻き込まれた殺されビッチのツリーが大活躍の前作から、その翌日に起こる大事件をきっかけに、またまたツリー受難が始まるタイムループ型学園恋愛ホラーコメディの第二作。
ほぼほぼ前作の設定をそのまま使って、その最大の謎に迫った結果またとんでもない方向に話が進んでいく。もちろんお約束のタイムループ設定はそのまま変わらず、でも住んでいる世界が…。

第二作の難しさってやっぱり前作超えなきゃの方向性の難しさだと思うし、本作は今までの学園恋愛ホラーコメディにSF要素をぶっこんで、学園恋愛SFホラーコメディに(長い)仕上げてきた。アプローチとしては前作とのセットで観てあちこち小ネタも含めて楽しめたと思う。

それに、やっていることは前作とあんまり変わっていないところに一つ舞台設定で新しい要素を追加したことで究極の選択を迫られることになり、それがまた切ない。ホラーなのに切ない。ただその分ちょっとホラーやスリラー要素はマイルドになったかな。

最初に言ったTreeの名前の由来。本作のポイントになっている同じ日を繰り返しながらあらゆる状況を想定して、それを一つずつ潰して真因にたどり着くってところが、なんだか故障解析のアプローチに似てるよなーと思っていて、殺人っていうトップ事象からあらゆる可能性を探っていった前作に加えて本作はマシン起動のアルゴリズムの潰し込みをしていくとかよりFTA的なアプローチだったように思う。これをワザと主人公の名前に付けたのだとしたら、なかなかの手練れだし、監督あんた理系だね?と言いたくなる。

物語としては大健闘、少しだけ捻ってやろうっていうところが多すぎた結果伏線回収や種明かしが難しくなってしまって、前作ほど頭使わずひたすら楽しいわーとはなり切れなかった分だけちょいマイナス。
だけど、相変わらずの安定キャスト&設定だし、なんでああなっちゃったのか50%ぐらいは理解できた気がするので、映画としては間違いなく楽しめる作品。ただ前作は観ている前提。

ハルクマール
にゃに見てんださんのコメント
2024年8月25日

やっぱり似てますよね?笑
コメント、共感ありがとうございました!!

にゃに見てんだ
CBさんのコメント
2024年8月25日

主人公の名前が故障の木解析からだったら、ホント、感激ですね!どうなんだろう

CB