「情報操作と民主主義」新聞記者 マッターホルン2さんの映画レビュー(感想・評価)
情報操作と民主主義
一言で言えばちゃらちゃらしない立派な映画を頑張って作ったと思う。センセーショナルな内容を求めず、地道に一つづつ重ねていく展開で、見応えのあるものだった。
ただ、新聞記者と銘打つからには、新聞記者とは?というところの掘り下げがあってほしい。女性のレイプ事件は、同情だけでは真実とはいえないし、政府の隠蔽もどこまでが事実なのか、一担当官の証言だけで突き進めるには、単なる週刊誌的なスクープ記事でしかないわけで、相当な取材に基づいて真実を求めるのが、ジャーナリズムの姿ではと、疑問は浮かぶ。ましてや、言葉が武器の記者が、片言の日本語しか話せない帰国子女って設定はいかがなものかと肝心要のところがものすごく不思議。シムウンギョン大好きなのに、残念な配役だった。
ましてや、どうやら現政権の批判がテーマかとも思われる話だが、この映画こそまさに情報操作とはいえないかと、少々荒唐無稽ぶりが目立ち、残念だった。
とまあ、いろいろ考えさせることも多く、映画の役割は十分果たしていると思う。
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