「原点回帰において頂点」名探偵コナン 紺青の拳(フィスト) シャア専用の砦さんの映画レビュー(感想・評価)
原点回帰において頂点
今作は京極真をメインとした映画と言いたい
が今作は平成最後を平成のホームズとルパン
で締めた平成最後の集大成だった。コナクラ
なら好きな人が多いと思う。俺はこの映画を
1コナンファンとして語りたい。
内容を見てみると1話のジェットコースター
殺人事件の手を握って正体を確かめるシーン
があったりマーライオンが血を吐いたシーン
なんて1話の被害者の血が吹き出すシーンに
似てる。ミステリーは珍しく倒叙ミステリー
かつハウダニット重視でホテルの構造を用い
た非常に凝った作りになってる。建物で連想
する作品は時計じかけの摩天楼です。犯人の
動機も自分の欲望を満たしたい理想主義者?
みたいな所も時計じかけの摩天楼リスペクト
&オマージュかも知れません。流石コナンの
原作全巻読まれた大倉さんだと思いました。
演出に関してもBGM「アーサー・ヒライ」や
「貴公子の拳」はそれぞれ「対決のテーマ」
「キミがいれば」のアレンジ。とても原作の
リスペクトと感じました。今作の永岡監督は
コナン愛ある方だと思いましたが製作陣イン
タビューを見て驚きました。この永岡監督は
小さい頃コナン原作1巻から集められていた
俺らの大先輩だと驚きこの映画を作れる技量
のある方だと納得しました。このような逸材
が絶海の探偵から演出を務められてたとは。
金ローで知ったのですが永岡監督はキッドと
コナンが屋上で会話したときの月の欠け方を
「76話コナンvs怪盗キッド」の時と同じにし
たとの事。どこまでコナンに対するこだわり
を見せて来るんだ!?と少々興奮しました。
キャラ描写も原作準拠で良かったです。特に
蘭がちゃんとヒロインとして映画に出ている
この映画は本当にコナンと言えます。コナン
がコナンらしいと思えたのは心理描写。凄く
原作感あふれるコナン映画でした永岡監督の
映画なら今後のコナン映画も凄く期待が持て
ます。
俺の友人が思ってる事なのですが、キッドが
トランプと水に沈められる所が14番目の標的
オマージュ、怪盗キッドのネクタイが世紀末
の魔術師と同じ、園子が髪型変えたのは天国
へのカウントダウン、コナンが道具使えない
のはベイカー街の亡霊、コナンが色黒になっ
たのは迷宮の十字路という過去作リスペクト
が他にも溢れてると言ってました。
今回は古参ファン原作を愛したファン向けの
作品でした。これはこれでアリだと思いまし
たが新規ファン原作読んでないファンからは
低評価で「爆発と派手なアクションしかない
映画」とレビューされてるのを見てショック
しました。原作だとトリックや倒叙式が多く
劇場版は犯人探しがメインになってるせいか
推理要素皆無と言われてました。あと「犯人
わかりやすい」はおかしい。倒叙形式だから
当たり前だろって思いました。よって今回の
ようなオマージュとリスペクトに溢れた映画
は今回だけでいいと思いました。
あと共犯という案がコナンらしくはないかな
と思いました。よって評価を星4.5にします。
俺の好きなコナン映画10番以内に入りません
がコナンオタクレベルの人間なら10番以内に
入って当然なレベルで非常に緻密で練られた
作品でした。「原点回帰」というジャンルで
は頂点に君臨すると言っても過言ではない。
原点回帰を意識して作られたというから紅の
恋歌より原点回帰してました。原作も進んで
コナンらしくなくなってきたせいか久しぶり
にコナンらしい作品が見れて良かったです。
いやどちらかというと青山剛昌作品に近い。
青山剛昌ファンは必見です。