「【高名な小説家のアンモラルな言動、行動、満艦飾ムービー】」人間失格 太宰治と3人の女たち NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【高名な小説家のアンモラルな言動、行動、満艦飾ムービー】
冒頭、女性と自殺を決行し、自分だけ生き残った際のセリフ ”死ぬかと思った!” を皮切りに(いや、これ自殺幇助罪でしょう)、彼が繰り出す不道徳な言動の数々。多少の脚色があるとは思うが、太宰なら言いそうだなあ と思ってしまう。
愛人に子供が欲しいと言われれば、お望みのように行動するし・・。
一般的な倫理観をここまで破壊する映画は、却って潔ささえ感じる。というか、太宰自身の生涯そのものが、倫理観を大きく逸れるものだったので、この作品はほぼ忠実に太宰の後半生を描いている、色彩感覚は別として。
残念に思うのは、「走れメロス」や「津軽」といった作品を生み出した美知子との安定した結婚生活期からの、彼が「斜陽」「人間失格」という作品を生み出した経緯、理由などをもっと明白に描いてくれると良かったなあ。でも、蜷川監督はそんな事、興味ないか。
次回作は太宰と同じ昭和無頼派で、今作でもいい味出してた<藤原竜也>主演で
・坂口安吾 タイトル「堕落のススメ」
又は、出番は少なかったが完全に小栗旬の演技を上回っていた<高良健吾>主演で
・三島由紀夫 タイトル「楯の会の告白」
何ていうのを得意の極彩色で描くというのはどうでしょう? 蜷川監督。(すいません・・。でも、稀有な才能を映画でも発揮して頂きたいのです。)
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