「イーストウッド監督の映画に通底するもの」運び屋 琥珀さんの映画レビュー(感想・評価)
イーストウッド監督の映画に通底するもの
この映画を観て確信しました。
クリント・イーストウッド監督は『仕事に真摯に取り組む人』そして『仕事として引き受けたことは当たり前のようにきちんとすること』への関心と敬意と感謝の気持ちが本当に強いのだと思います。
『ハドソン川の奇跡』では、機長を始め事故に関わった人たちが、それぞれの持ち場で出来ることを最大限に発揮する姿、或いは発揮しようとした姿を丁寧に描いていました。
『グラン・トリノ』や『ミリオンダラーベイビー』でも主人公は、一度引き受けた仕事(役割)について、自分が出来る範囲においてすべての力を出し切っていたはずです。
本作の主人公も動機や行いの正当性を抜きにすれば、持てる力を誠実に手抜きすることなく仕事に注いでいました。
あの最後の仕事だって、家族との触れ合いの後であれば、何かが吹っ切れ、当初予定の場所ではなく、積み荷ごと警察に駆け込む選択肢もあったと思うのですが、家族との関係性の再生はそれはそれとして、仕事についてはきちんと所定の場所に届けようとしていました。
しかしながら、イーストウッド監督はそれを殊更凄いことだと強調するのではなく、『自分の仕事』として引き受けた以上、持てる力(技量も経験も)は最大限誠実に発揮するのが
人として自然なこと、当たり前のこととして描いているのです。
経済的な側面だけでなく、『仕事』とか『役割』といったものが、たとえ社会の中でどれほど小さなものであっても、人が人として存立し得るプライドの基盤であり、敬意をもって認め合うものなのだと教えてくれます。非合法ではあっても、仕事を通じてメキシコ人たちと生まれた関係性(極めて限定的ではあるが一定の信頼関係も存在した)の中でやり甲斐を感じていたのは確かなことなのです。だからこそ、自分の仕事、と認識した行動については誠実に振る舞わなければいけないのです。
イーストウッド監督の演出は比較的静かで、あまり抑揚なく描かれますが、どの作品もいつも深く染み渡ってくる感動を与えてくれるのは、監督自身が〝映画を作るという仕事〟に誰よりも誠実に取り組んでいるからだと思います。
美紅さん、今晩は❗️
自分もそこそこいい歳のくせして、いまだに酸いも甘いもよく分かってないかもしれません。青二才のまま、老害を撒き散らしたくもないし😆
イーストウッドのように、枯れた味わいをまとった老人になれるようにまだまだ人生の修行は続きます。やれやれ😓
こんばんは☆今日は
こちらの映画を観ました。
レビューしてないですが
ハドソン川の奇跡、トム・ハンクス主演、実話を元にした飛行機事故のストーリー、ミリオンダラー・ベイビー、女性がボクシングに打ち込む姿、クリント・イーストウッドの映画
観てるけど、レビューが追い付かなくて(汗)
仕事と言えば忘れられないのが、『シン・ゴジラ』です。
ヤシオリ作戦の準備を突貫作業で完了させた自衛隊の統合幕僚長(國村隼)がその労に対して、長谷川博己から感謝の言葉をかけられた時のひとこと。
「仕事ですから」
自慢する風でもなく淡々と、しかし組織として最大限の仕事をやりあげたことへの誇りを滲ませていたこのシーンが、私には最高にカッコ良く見えました。