「NHKの地域発ドラマのようだ」影裏 藤崎修次さんの映画レビュー(感想・評価)
NHKの地域発ドラマのようだ
鑑賞後にまず感じたのがそれ。
主人公ふたりの裏の顔、かたやソフトなゲイにかたや経歴詐称の放蕩息子。
重々しい語呂のタイトルからすると、少し拍子抜けする設定だというのが率直な印象。
物語の内容にしても口うるさい隣人・鈴村(永島暎子)の存在が主人公・今野(綾野剛)の心理描写に上手く絡めていないし、会社の同僚・西山(筒井真理子)と共に日浅(松田龍平)を回想するシーンを冒頭に持って来た意図も伝わってこず、演出が全体的にバラバラ。
今野のパーソナリティを象徴するシーンとしてジャスミンを愛でる姿を重ねて描いていたり、映画を観ながら涙するのも安直な感じが否めない。
さんさ踊りの風景も地域紹介のアリバイ作りのようでストーリー展開から浮いてしまっている。
商業作品としての意味合いを見出すとしたら震災発生日を見据えた公開スケジュールぐらいか?
辛辣な言い方だが、力のある俳優陣の良さを潰してしまっている典型のような作品。
余談だが、制作サイドに松田龍平の母・美由紀の名があるのは何か政治的な力が働いているのかな?
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