劇場公開日 2021年6月11日

「面白いけどボリューム不足」機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ エミーさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0面白いけどボリューム不足

2021年6月18日
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興奮

難しい

映画そのものの出来には文句の付けようが無い。
映像はとても綺麗だし声優さんの演技も素晴らしい。脚本は名作と言われ続けた小説を使っているのだから言うまでもない。
それでもやはり気になるのは、タイトル通りボリューム不足。
ネタバレになってしまうため詳細は控えるが、この映画にはガッツリとしたMS戦闘がとても少ない。
中盤に小競り合いがあるのと、終盤に主役機の顔見せ程度の戦いがあるだけだ。
もっとも、原作自体がMSでの戦いよりもハサウェイ、ギギ、ケネスの心情や複雑な関係を重視した作品なのだから妥当ではある。
もう一点感じたのが、映画の終わり方だ。
原作がそれなりに分厚い小説の上下巻で出ているように、閃光のハサウェイは結構なボリュームのある作品であり、映画が分割されてしまうのは仕方ない。
それでも、ようやく主役機が出てきて、作品のボルテージが上がってきた…そこで終わるのである。
先程も言ったように、この作品には派手な盛り上がりどころは少ない。ハリウッド映画のような見どころがバンバン出てきて興奮冷めやらぬ、という作品ではない。
じわじわと作品にのめり込んでいき、気がつくと夢中になっているというタイプの作品だと思う。
だからこそ、作品の締めはしっかりとして欲しかった。
作品に夢中になり次のシーンへの期待が高まったところでポンと終わるではなく、しっかりと「この作品はここで終わる。続編も楽しみにしててくれ」と、気持ちを綺麗に着陸させて欲しかった。
3部作ではあるが、この作品はこの作品として、一本の映画として完成させて欲しかったと思う。

エミー