「脆さを感じる輝きがたまらない」機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ マダム・バタフライさんの映画レビュー(感想・評価)
脆さを感じる輝きがたまらない
小説版はもう10年以上前に読んだが、あやふやな記憶のまま劇場に。
最近見た「逆襲のシャア」の時に感じた少年のハサウェイを序盤に忘れる中、ギギの発言と存在で揺れ動くハサウェイの危うさ・脆さを感じました。
感情曲線が緩やかだが加速度的に戻れなくなるよう、とても繊細に・だけど確実にハサウェイの決意を揺るがす表現がとても良い。
ギギを写す扇情的なカメラワークは、もうたまりませんでした。
建築物や景色や小物がしっかりと現実感のあるように描かれており、そこに現れるモビルスーツのアンマッチ感が、平和な日常から戦場に変わる展開と相まってとても気持ちがいい。
偉大すぎる先人の意思を継ごうとする行動に対する「視座」や「立場」による感情の違い。
目指すべき事柄に対して、捨てられない重しを背負おうとする正義感。
色々と自分もオッサンになって、昔は捉えきれなかった情報がとても物語を鮮やかにしてます。
ハサウェイという人物の今後がとても楽しみでありながら
なんでこの「閃光のハサウェイ」という世界には、有望な若者を支えてあげられる大人がいないのか…
という、いつか壊れてしまうのではという不安とともに続編を楽しみに待ってます。
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