「BEST」ゴーストマスター akira the hustlerさんの映画レビュー(感想・評価)
BEST
試写で観てから二週間。
結局ずっとこの映画のことばかり考えている。
〇〇愛、という、言葉があまり好きではない。
コンビ愛と同じくらいには映画愛という言葉にもピンと来ない。
この映画に似合うのは愛という言葉だろう。
いびつな、ともすると相手も自分もどうにかしてしまいそうになるようなへんてこな愛。
かつてあるバンドがソウルミュージックをサンプリングしたアルバムをリリースした際に、ソウルを愛してやまないミュージシャンが激怒して、「仏つくって魂入れず」という言葉を寄せたことを受けたべつの批評家が「仏壊して魂(ソウル)の在り処を探す」と言ってたことに痺れたことを思い出した。
ゴーストマスターには、映画愛も観客も抱き合わせでシーンをぶっ壊して、その残骸のなかに愛とか希望を共に探そうぜと言われた気持ちになっている。ビリビリ来てる。
成海璃子のあの真っ当な怒りは、なんてことだろう。
三浦貴大のあの惨めさの果ての再起動する姿震えるような美しさは一体なんなんだろう。彼が「アクション!」と絶叫した時、総毛立つ気がした。
間違いなく2019年のベストムービー。
美術をやってる自分にはアートを含めたベストピースが、この「ゴーストマスター」になってしまった。
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