劇場公開日 2019年2月1日

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「国民が国の最高権力者を慎重に選ぶべき」フロントランナー ノリック007さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0国民が国の最高権力者を慎重に選ぶべき

2019年2月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

知的

難しい

主人公は、1984年と1988年の米国大統領選挙の民主党の
予備選挙で負けた人です。
物語は、1988年の米国大統領選挙の民主党の予備選挙で
最有力候補「フロントランナー」となった3週間の出来事です。

1984年、米国大統領に選出されたのは、共和党の
ドナルド・レーガンです。
1988年、米国大統領に選出されたのは、共和党の
ジョージ・H・W・ブッシュです。

日本での知名度はなく、知らなくても不思議はありません。
私も知りませんでした。
このような人の映画が製作され、日本でも公開されたのかに
興味をもって鑑賞することにしました。

あまりにも知らないので、鑑賞する前にパンフレットを購入し、
読んだのは、正解でした。
なぜこの映画が製作された理由と、登場人物の人間関係を把握
できました。

登場人物は、主人公、選挙関係者、報道関係者と家族です。
選挙関係者と報道関係者の区別がつきにくいので、ストーリーを
把握しにくいです。

映画が製作された理由は、説明責任を果たさない人を国の
最高権力者にするべきではないということです。

米国でも日本でも世界中でこの問題に直面しているので、
映画が製作され、公開されたのだと感じました。

「大統領の陰謀」、「ニクソン」、「ザ・シークレットマン」、
「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」、「タクシー運転手
約束は海を越えて」、「1987、ある闘いの真実」、「共犯者たち」、
「スパイネーション 自白」や「華氏119」ほどではないですが、
このような映画に興味がある人は鑑賞しても良いと思います。

色々な立場の女性が登場するので、女性はストーリーを理解でき
なくても、一見の価値はあるかもしれません。

説明責任を果たさない人が、国の最高権力者になれば、
やりたい放題で止めることは、誰にもできません。
民主主義国家であろうと、社会主義国家であろうと、独裁者国家
であろうとたいした違いはないということです。

国の最高権力者が、やりたい放題できるのは説明責任を
果たさないからです。

報道機関が止めることができるのは、国の最高権力者になる前の
候補者たちだけです。

1970年代に、報道機関が説明責任を果たさないニクソン米国
大統領を辞任に追い込んだ前例はありますが、今は状況が全く
異なると言うことです。
報道機関も国民も、説明責任を果たさない米国大統領を止められ
ないのが現状です。

政策、法案やイベントも同じです。
国民が政策、法案やイベントを慎重に選ぶべきです。
後から、何をしても意味はありません。

日本では、根拠となるデータは捏造され、多くの法案が強行採決され、
誰も止めることができないのが現状です。

予算がオーバーし、いくらかかるかさえもわからない、
2020年東京オリンピックや2025年大阪万博を
認めた後では遅いということです。

トルコの国民は、2020年オリンピックに反対し、2020年
のオリンピックが決まる前に、止めました。

日本の報道機関は、2020年東京オリンピックの嘘だらけの
招致のプレゼンテーションを「世界を動かすプレゼン力」
と絶賛し、国民に伝えました。
日本では、嘘だらけのプレゼンテーションを絶賛する報道機関による
監視機能は全く期待できません。
日本の報道機関は、「大本営発表」を垂れ流すだけです。
開催が決定した以降のことについて、誰も説明責任を果たしていません。
開催が決定した後では、遅いということです。

権力が決定する前に、チェックする機能は必要にして、不可欠で、
「報道機関が権力に屈すれば、国民の将来はない」という
ことを再び示してくれた良い映画です。

ノリック007