「撮るべきだった映画。言っておかなければならなかった事。」フロントランナー bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
撮るべきだった映画。言っておかなければならなかった事。
大統領選挙から降りざるを得なかったゲイリー・ハートの3週間の話。結論から言えば、自業自得なのだが、それでも釈然としないのはメディア側のクソったれ度の酷さだけじゃなく。
選挙戦の最中に、美女侍らせのクルーズに出る方も出る方だから、スッパ抜かれても文句は言えないし、同情無用だと思う。問題はハートの考え方。政治家の「私人」と「公人」は分離されるべきと考えており、それは正しいと思うのだが、人格もまた別人として存在しうると発展させているところに問題があり、それは間違っていると思う。
結局、ハートは「世論を誘導するメディアのコントロール」と言う、現実との向き合い方に失敗する。私達への教訓もまた「現実との向き合い方」だと思う。ハートは降りて、ブッシュ(父)が大統領になる。息子の大統領就任後、親子二代の念願がかないイラクへ侵攻した彼らは、フセインの頸をくくり一国の石油利権を奪い取る。あれは正しい選択だったのか?
トランプはメキシコとの国境に壁を作ると意気込みNAFTAの細部を反故にしようとしているが、ハートの主張は「メキシコ国内に雇用を作り出す支援をする」。何が正解なのかは誰にも解らないが、行き過ぎた抑圧はテロリズムを生む、のだけは間違いない。私達も現実的な判断をしなくてはならない、って思いました。
映画の方は、キャスティングが、ずば抜けて良かったと思います。皆んな、ドンピシャにはまってます!
bloodtrailさん
コメントへの返信を有難うございました。
推しの役者さんの出演作を改めて観てみたくなる事、ありますよね 👀
スキャンダル中心の描き方ではないところが、個人的には良かったです。