劇場公開日 2019年4月5日

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「たのしくはないけど、いい映画」孤独なふりした世界で そんぼさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0たのしくはないけど、いい映画

2019年8月7日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ふしぎだけど2回目のほうがカメラワークとか映像の深みの意味に気づくようになる。
死に絶えた町の家の前にペイントで白く×印が印象的だ。
それと町の風景の静寂。
最初は単にトリッキーな映画なのかな?って思った。
2回目は、いい映画。
3回目は、まだ。

コピー機会で写真をコピーし、コピーした写真をまた機械でコピーする。
これを繰り返す。元の写真は荒い粒子で光の劣化がおき、写真が20世紀の新聞の写真のようになる。
今の映画の印象だ。映画の時代は終わった。
映画が終わったわけじゃない。
ただの他の多数のメディアとおなじになっただけだ。
写真や、小説や、詩や、ロックやジャズ。図書館やトルストイも。20世紀のそれらは、もう時代を動かすチカラはなくなった。
ぼくの幼少の時代は祖父に連れられて日本映画を見に行った。大学のときはTVを見たくてバイトの金でテレビを買った。
今は、インターネット検索とYouTubeとSNSで外の情報を得ている。
情報をすくうフィルターを間違えなければそのほうが現実を正確に把握できる。
ある教師が耳打ちした。
「時代が変わる」と「多くの古い人たちが死ぬ」

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