「あなたには愛国心なのね。私には愛国主義だわ」記者たち 衝撃と畏怖の真実 shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
あなたには愛国心なのね。私には愛国主義だわ
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映画「記者たち 衝撃と畏怖の真実」(ロブ・ライナー監督)から。
「イラク戦争の大義名分となった大量破壊兵器の存在に疑問をち、
真実を追い続けた記者たちの奮闘を描いた実録ドラマ」であるが
私は、小さな子供を持つ、ある家庭の会話が気になった。
「授業で米国の偉大さを勉強したって?」というシーンから始まる。
「どこが偉い?」と父親、「自由の国」と子供。
「いい答えだ」「いい子ね」と両親。ここまでは普通だけれど、
「学校で愛国主義教育とは・・」と母親が嘆き、
「今は愛国心が必要だろう?」と父親が反応するのだが、
それを受けた母親の返しの一言が、インパクトがあった。
「あなたには愛国心なのね。私には愛国主義だわ。
ユーゴスラビアもそうだった。おかげで国がバラバラだよ」
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』では、
「愛国心または愛国主義は、自分の国家に対し、愛着や忠誠を抱く心情」と
同意語のように扱われているが、やや違和感を覚えた。
うまく言えないが「愛国心とは、自然発生的に感じる感情」であり、
「愛国主義とは、その考え方を教育で植え付ける」イメージがある。
もし敢えてその違いを説明するのなら、心の底から「誇れるかどうか」、
そんな気がしている。
自分の住む国を愛しているからこそ、嘘で固められた政策に対して
反旗を翻す行為を黙ってみてられない、心境になる。
アメリカ人の「愛国心」と日本人の「愛国心」・・
どちらが良いということではなく、ちょっと違う気がして観終わった。
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