「月がぱっつんぱっつんに膨らんでるね。」惡の華 Miyuさんの映画レビュー(感想・評価)
月がぱっつんぱっつんに膨らんでるね。
青春?共感?変態?
中高女子校のわたしにとって、春日くんのような人は正直出会ったことがないし、そういう自分の内に孕んだ変態の感情ってものには出会ったことない。と思っていた。けれど、そういう腹のなかのグチョグチョできったない感情を、閉塞的な空間で、どう処理したらいいかわからなくて、間違った爆発をしてしまった感じ、今しか見えない、先のこととか周りのことの想像なんかできない、中学生特有の感じ、なんとなく思い出して、ちょっとむず痒かった。こういう子達を、意味わからないしありえないしくだらないって思ってしまうのは、つまらない大人になってきてしまってるってことなのかなって、墨汁ぶちまけるシーンくらいで気づいて、こういう感想になってます。
仲村さんと春日くんの契約は、二人の必然的な関係性が薄く感じられたので、もっと細かいエピソードとか感情とかを足した方が強くなるんじゃないかなと、原作未読なので思いました。
玉城ティナちゃんも伊藤健太郎くんも、このありそうでぶっ飛びすぎているこの作品に、真摯に向き合って真剣に春日と仲村を生きているのがとても伝わってきて、将来有望な新人さんたちだなと思いました。感情を作るのが大変そうなセリフも多々あったので。
ティナちゃんは、dinerの時は可愛い子の印象が残ってしまっていてオオバカナコとして凡庸さが欠けているなあと思ったけど、今回はいい意味でヒロイン感も消えていて全部クソムシだって思ってる感じがひしひしと伝わってくるキャラクターで最高でした!
セリフがめっちゃ好きだったので原作読んでみようと思います、あとボードレールの悪の華。どんなことが書いてあるのだろう。