劇場公開日 2019年9月27日

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「原作未読で監督の井口昇作品もほとんど見てないが・」惡の華 ミラーズさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0原作未読で監督の井口昇作品もほとんど見てないが・

2019年10月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

憧れの同級生の体操着を盗んだ、伊藤健太郎が、そのことを変わり者の同級生の玉城ティナにネタに変態行為を強要される。

そこから、妙な三角関係になり、嫉妬や逆レイプ、焼身自殺騒動などを経て、想像以上に、爽やかなエンディングへ。

ともかく主役3人の熱演で、伊藤・玉城ともに痛い役柄を熱演して好感が持てる。

特に体操着を盗まれる同級生の秋田汐梨が最初は清純な雰囲気と行動を見せるが、変態二人に引きずられるように、ダークサイドを見せ、最後の表情も実年齢16歳で結構エグい熱演。

井口昇の演出は、変に陰湿にならずユーモアもあり爽やかな感動的な、ところも押さえて巧み。

注目は脚本の岡田麿里で、アニメ界での仕事がメインだか、ちょっと変わった視点とテイストでとても面白い作品を連発しているが、今作は、癖は少ない方で、破綻せずに上手くまとめている。

個人的には、玉城ティナ扮する仲村が何故あそこまで世の中の偽善をクソムシとなじるようになってしまったのが、彼女の家族を見ても今ひとつ理解出来ない。
思春期特有のドグマなのか?原作を機会があれば読みたい。

桐生市の街中に散見される錆びついた建物や寂れた風景を画面に入れることで、人物たちの燻んだ心情を表現している撮影とロケハンは、中々だと思う。

ダークな面もあるが、良質な青春映画として楽しめました。

ミラーズ