「この映画にテーマ性は要らない?」ミスター・ガラス 琥珀さんの映画レビュー(感想・評価)
この映画にテーマ性は要らない?
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ヒューマンドラマとか、サスペンスとか、SFだとかのジャンルを確認する前に、まずは『最後のどんでん返し』を期待して観るという監督。ある意味、独自分野を切り拓いたパイオニアですね。
ラスト、そういうことか〜、と驚く度合いは人それぞれだと思いますが、意外な感動も含めて、独り善がりに陥ることなくお客さんを楽しませようという意欲というか誠意⁉︎が感じられて、結構好感の持てるいい映画だと思います。
サミュエル・L・ジャクソンも今回は饒舌家の役割をジェームス・マカヴォイの変幻自在の演じ分けに譲って、見かけより存在感を薄めた演技で、いい味出してました。
主役3人それぞれのサポート役がこれまた程よい距離感で、全体のバランスと緊張感を緩めることなく最後まで持っていくあたりはさすがだと思いました。
もし、この映画にテーマ性を求めるとすれば、マイノリティーや社会的弱者の存在をなかったことにしてやり過ごしてしまおうとする社会システムの体制的な壁が存在するということとその壁を出し抜くことができた時の痛快感、ということだと思いますが、そんなに難しく考えて鑑賞する必要はないですね。
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