「懐メロでいいんか?」宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第七章「新星篇」 tokunaga motoziさんの映画レビュー(感想・評価)
懐メロでいいんか?
クリックして本文を読む
日本を代表するプロのアニメーター、若しくは旧作ヤマトに感銘を受けて業界に入った者たちによって作られた映画、それがこんなにも懐メロでいいんだろうか?
第7章を見るまで、実は6章までの内容をすっかり忘れていた。それでも楽しめる。(これは評価?)ディテールはともかく、旧作に近い印象だ。音楽が特にそうだ。西崎氏が版権をとれずに作った復活篇に比べて、これでもかというぐらい旧作ヤマトの音楽が楽しめる。
脚本の福井晴敏に言わせると震災後いやバブル崩壊後、閉塞してしまった今の日本人の心性を託して主人公を「鬱抜け」させる物語らしい。だが懐古趣味以外新たなビジョンは何も見えてこない。主人公が鬱から抜ける動機がヒロインとの間にこれから生まれてくる子供であるというのはずっこける。要は「パパは社会の汚濁に染まり、妥協を重ねてこれからも糞な存在であり続けるけど、それでも子供が居るから頑張るぞ」っと。ズォーダー大帝が高笑いしそうな陳腐な結論だ。
それに福井が到達点はすぐ決まったけど、どう描くか脚本にするまで迷ったというラスト30分、羽原が「脚本を読んだ時振るえた。アニメ史に残る」と言った30分、自分にはガンダムUCやNTの焼き直しに見えて仕方がなかった。「これって単なるニュータイプ論やん。」
コメントする