「期待値に届かず、MCUの中でも異質な一本」キャプテン・マーベル アルタイルさんの映画レビュー(感想・評価)
期待値に届かず、MCUの中でも異質な一本
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MCUの中で初の女性単独主演映画ということで、大きな期待を背負って登場した『キャプテン・マーベル』。しかしながら、その完成度は正直なところ物足りなさと未完成感が拭えない作品でした。
まず、主人公キャロル・ダンヴァースの描き方が感情的な成長や葛藤の深掘りが浅く、観客が感情移入しづらい構成になっています。彼女の過去に対する記憶喪失設定はドラマ性を持たせるはずが、結果的にストーリー全体を平板で感情の起伏に欠ける展開にしてしまった印象です。
また、最強すぎる能力と無双展開がクライマックスに向けての緊張感を削ぎ、サノスに対抗できる存在として描きたかった意図はわかるものの、それが「強さ=魅力」には直結していませんでした。
一方で、若きニック・フューリーとのバディ要素や猫のグースの活躍、90年代音楽を散りばめた演出など、MCUらしい遊び心は健在。ただし、それらも本筋の物語と有機的につながっておらず、どこか断片的な印象を受けました。
評価は2.0。MCUの中でもやや浮いた存在であり、単なる“つなぎ”の役割に終始してしまった作品。今後のシリーズでのキャラクター再構築に期待したいところです。
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