「このヒーロー映画にあるまじき実験的な語り口を大いに買いたい」キャプテン・マーベル ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)
このヒーロー映画にあるまじき実験的な語り口を大いに買いたい
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ヒーロー映画は掴みこそ重要だが、本作の冒頭はなかなか乗り切れず、他のマーベル映画に比べても洗練さに欠ける。が、これを記憶に覆いかぶさる薄いベールのようなものと考えるとどうだろう。「記憶をめぐるサスペンスアクション」という売り文句が付くこの新作は、やがてその言葉通り徐々に記憶のベールを剥がしつつ、真実をあらわにしていく。そうした段になると、もはや冒頭のノリきれなさが実は周到な伏線だったのではないかと思えるほど、この物語にどハマりしていく自分に気づくのである。
かつてヒーロー映画でこれほど実験的な語り口を持ち出したものはない。作り手にとっても賭けだったはず。もちろん拒否反応を示す観客もいるのだろうが、私はこの冒険心を大いに買う。全てが綺麗に反転していくのに合わせて、ヒロインのパワーも解き放たれる。強い。強すぎる。彼女がアベンジャーズ最終章にどれほど爆発的な力をもたらすのか今から期待したい。
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