きみと、波にのれたらのレビュー・感想・評価
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王道のティーンラブストーリーwith奇才•湯浅監督
ストーリーは大変シンプルながら、ところどころはしっかり湯浅印。いや、むしろシンプルだからこそ作家性がよりよく分かるような気もします。
また、湯浅監督のラブストーリーって全然想像できなかったんですが、良い意味で明るいというか、リア充的というか、非常に楽しんで観ることができた。いいなあ、バカップルだなあ。。。
サブキャラクターも、特に女性陣が魅力的。声優陣も味があり、一部批判されているような悪印象は感じません。むしろ少し軽い演技がこの作品には合っているように感じます。
爽やかで軽い青春恋愛アニメ。でも、超クオリティの映像と個性的な演出の光る佳作。
この波に乗りたい
これ、いいよ!
『夜明け告げるルーのうた』並み、いやそれ以上かも。
個人的には、10〜20代女性に向けた少女漫画的な傑作。
ある種、80〜90年代のアイドル映画っぽいテイストもあり。
恋と自立。
心のあり方。
人を愛するということ。
染みるなぁ。
湯浅政明 監督+脚本 吉田玲子の破壊力。
日常会話から、好きな気持ちが増していく変化や、人としての成長もわかる。
作画もよかった。
流行りの派手でち密な描写ではなく、キャラが自然でリアリティがある。
デフォルメされた絵柄なのに、着こなしやしぐさが、本物の女の人を想起させる。
省略と強調の妙。
全てのクオリティが高い。
素晴らしい作品だった。
前半、乳繰り合う部分が陳腐に感じたり、後半の幽霊が起こす奇跡の表現が古臭く感じたりする人には、馴染めなく低い評価になる可能性もある。
好き嫌いは分かれるだろう。
特に、少女漫画の文法に馴染みない男性などには。
EXILEが苦手だったら100%合わないだろうし。
しかし、そこがいいのだ。
ビッグウェーブ
前半ふざけあった感の歌の中でのイチャラブはこっぱずかしく思いながらニヤニヤして観ていました。最後の大泣きするシーンまで前向きな主人公に逞しさを感じました。妹ちゃんの存在感は良い味出してました。色々言われてますが個人的には良かったです。
んーgenerationの為の映画?
映画の半分以上がバカップルが主題歌を歌ってのストーリー。途中で出ようと思ったくらい、まぁいいかなって思いました。映画のCMを見て期待度あったので余計に。
ただ、男の子がなくなってから、二人が昔あったことがある、男の子が溺れているところを女の子が助けたってところの場面は少しウルっときた。
他人から見た自分像なんて案外いい加減でアテにならなくね?
2〜3回鳥肌立った!!
ひとつはひな子の部屋で、港くんと踊るシーン。僕にとっては「これぞ湯浅政明!」というイメージの、人間の手や足がみょ〜〜んって伸びたり、身体がくにゃ〜〜んってなる感じの演出。しなやかだし、ゆるやかだし、開放的な気持ちよさに鳥肌立った場面だった。
ふたつめは、クライマックスのトンデモサーフィンの場面。こちらはダイナミックで、スピード感があって、やっぱり観心地がすんごく気持ち良くって鳥肌が立った。
満足満足。
お話全体としても、僕はまあまあ好きな話だった。
「大衆向きで、ありがちで、『ゴースト ニューヨークの幻』的なラブ・ストーリー」っていう声もあって、たしかにそういうパッケージではあるけれど、その中身は案外トガッてた印象だったな。
「今ッ!オレたちはッ!スクリーンから何らかの精神攻撃を受けているッ!!??」と思わされるような、作り手の悪意のこもった(笑)主人公カップルのイチャイチャっぷり。
港くんが亡くなってから、その幽霊(?)とひな子が意思疎通できるまでの“Jホラー”な演出。図書館の天窓の水滴文字の表現とか笑った。
その後港くんの幽霊と意思疎通ができてからのひな子と、周囲の人間のギャップ感はもう、“サイコホラー”のジャンルに突入してた。
「風呂敷の畳み方」は、ファンタジーアニメにしてもラブストーリーにしても、わりとありがちなところに着地させていたけど、
「風呂敷の広げ方」については、クセがあって面白かったと思う。
僕がこの映画を嫌いじゃないのは、個人的にはこの物語、
「他人から見た自分像からの解放」を一貫して描いてる
ような気がするからだと思う。
とても象徴的なのは、主人公カップルの名字。ひな子の名字は「向水(むかいみず)」で、よく“むこうみず”と間違われる。港くんの名字は「雛罌粟(ひなげし)」で、そもそも読める人がほとんどいない。
港くんに対する周囲のイメージは「なんでもデキる系イケメン」で、港くんが亡くなってからのひな子に対する周囲のイメージは「恋人に先立たれて頭がイカレちゃった可愛そうな娘」だった。
その2人が愛を育んでいくシークエンスは、観客からすれば「バカップル」という印象を持つように誘導的に描かれてる。
後輩のワサビくんも、妹ちゃんも、「自分がこうありたい自分」を見つけられずにいたり、隠さずにいられなかったりで悶々としてる。
そういう差分に対して、「自分らしく生きればいいのよ!」とか「そのままの自分でいいんだよ!」とか「レリゴ〜レリゴ〜♪」とかのメッセージを伝えようとするとき、多くの物語や楽曲は、「自分らしさの大切さ」とか「自分の夢の尊さ」とかを高らかに謳い上げるけど、本作での伝え方は、「他人から見た自分像なんて案外いい加減でアテにならなくね?」というアプローチなのが暑苦しくなくてイイなと思った。
また「自分が勝手に作り上げた他人像からの解放」も同時に、ワサビくんの目線を通して少し描いてるのも心強い。
どちらにしても「ひとつの波」に翻弄されるより、見送っちゃてもいいって話。
「波なんていくらでもやってくるから、自分がこれだと思った波に何度でも乗ってみようとすればいい。でも、水に沈んだままじゃ前には進めない。」
そういう物語だったと僕は思う。
BrandNewStory
この映画の主題歌BrandNewStory は本当に、
この物語に、重要な曲となっています!
鑑賞するときはBrandNewStory を
予習してから鑑賞することをお勧めします。
観に行ったことを後悔…
試写で鑑賞しました。
湯浅監督作品と聞いて期待していたのですが、はっきり言って時間を割いて観に行ったことを後悔するレベルの作品です。ある新聞に「思い切ってギアを変えた」と湯浅監督のインタビュー記事がありましたが、ギアチェンミスでは????と感じました。
また、映画を通して繰り返し歌われる曲にはうんざりしました。ファンは嬉しいのでしょうが……
他のキャストはともかく、川栄さんは声優業も問題なくいけるほど、泣く演技以外の声当てが上手でした。他のキャストはともかく。
最後に言えることは、お金を払って、時間を費やして、観に行くべきなのか、よく考えた方が良い映画ということです。
水と音楽との親和性をベースに、深い喪失から徐々に再生していく人々の過程を色彩豊かに描く良作
湯浅監督の掌中の珠であるテーマをベースに、アニメーションの名脚本家、吉田玲子さんが書き下ろした秀逸なストーリーに魅了される。登場人物たちの幼き頃の繋がりが明らかになる過程は勿論、クライマックスの「水」が最前面に出てくるシーンには息を飲む。あのようなシーンこそ、アニメーションでしか描けない(実写でもCGで表現は出来るのだろうが、ちょっと違うんだよなあ)ものだと思う。幅広い年代に響く作品だと思いました。
もったいない映像美
公開初日に観てきた。
破綻はしてないけど正直予告で想像できた通りの脚本で物足りなさは結構感じた。
ルーのうた以来のタッグで楽しみにしてた分この落差は大きかった。
個人的に劇中で主題歌流れすぎなのが一番気になった。エンドロール含めたら10回近く聴いたような気がするけど気がするだけで実際はもっと少ないと思う。
連れが「呪詛かな??」って言ってたけど正に言い得て妙だなと。
映像の綺麗さ、特に水の表現の美しさが今作品の一番の魅力だと思う。
だからこそ肝心の中身が追い付いていないのが非常にもったいない。正直どの層を狙ってこの映画を作ったのか分からない。300館という規模でやる必要がある内容だったか、と言われると……。
あと川栄が上手い。
誰のための作品なのか
河瀬直美監督が、ちょっと前に岩田剛典をキャストにすえて『Vision』という映画を撮ったとき、「あれ、河瀬監督どうしたのかな」なんてことを思った。
河瀬さんといえば『殯の森』や『あん』などで知られ、カンヌのパルムドール受賞経験もある、有名かつ実力もある監督だ。そんな彼女がなぜ”がんちゃん”を…と訝しく思ったら、何でもLDHが制作費を出していたらしい。
おそらく、LDHにはそういった芸術方面のフォロワーを増やしたいとい狙いがあるのだと(勝手に)推測しているのだけれど、本作もきっとそうなのだろう。
実際、リアルサウンドにて脚本家・吉田玲音さんのインタビューが掲載されているが、今回のキャストはEXILEの方だけは最初に決まっていて、彼をベースに港を造形していったらしい。
じゃあ、なんで湯浅監督はLDHと手を組んだのか。お金のことはよくわからんけど、やっぱり間口を広げたかったんだろう。今回は若者に、アニメを観ない広い観客に向けて作られていることは明らかなのだから。
それは成功したのか?
興行収入をみてみないとわからんけど、期待はできないと思う。俺は、全然おもろしくなかった。監督の大ファンだけれども。
でもこれで、若者にも受けなかったら、これは誰のための作品だったのだろうか。「大衆にはうけなかったけど挑戦したよね」なんて留飲を下げるアニメ玄人のための作品になってしまうとしたら、とてもくだらない話だ。
せめて、監督のための作品であって欲しい。次回作、もっと間口の広い形で上質なアニメーションを、「夜明け告げるルーのうた」で見せてくれたような、素晴らしい「命」をもう一度、今度こそ若者へ、多くの人へ届けて欲しい。
きみと、波にのれたら
湯浅監督作品がとても好きなので見初日に見てきました。前回の「夜明け告げるルーのうた」に続き、水を表現させたらこの人と新海さんの右に出る人って居ないだろうな。ところどころにルーのマスコットキャラ「わんぎょ」デザインがでてきます( ^ω^ )多分、恋愛モノが嫌いな人には絶対に合わないでしょう。わたし?最初からタオル持ってって泣いてましたよ?ラストで号泣。
もしも湯浅政明がティーンムービーを撮ったら
もしも湯浅政明がティーンムービーを撮ったとしたら、っていう非常に贅沢なifを観れました。
三部構成のお手本のような脚本は王道から外れないように慎重に慎重に。
そして湯浅アニメーションの視線の縦横無尽さや、なめらかな体の動きの快感はもちろん随所と随所に。
特に前半の恋の始まりの日常描写が素晴らしく、後半はあの輝きが基準となってしまつのでどうしても地味というかになってしまうけども、この物語の強度を出すにはやはり前半の圧倒的なキラキラは必要だ。
それをどう一本の映画にまとめるかが監督の力量なのだけど、それを水からの脱出劇のアクションで力業で持っていく。
さすがだなー、と。
あと、マインドゲームのラストのあの脱出劇的な感じもあってファン的にはグッときました。
きっとある心地よい場所や空間からの脱出、っていうのが湯浅作品の中での共通テーマなのだと思うと、この作品もやはり湯浅印が強く押された作品だ。
全然大好きっ!って思いました!
良いところと悪いところ。
監督の湯浅さんという方の作品を見るのはこれが初めてなので事前情報とか全くない状態で見させていただきました。
まず、始めに思ったのはどんだけメインテーマ流すんだよ。って思いましたね。初っ端からEDまで全部同じ曲じゃねーか!みたいな。しかも自分は全然歌詞覚えられませんでした。フレーズは頭に残るんですが、、、
そして多少仕方ないとはいえ演技がやや下手くそで時折聞いてられないところがありましたね。川栄はクッソうまかったんですけど他はやや残念でした。
ストーリーも先の展開がだいたい読めました。それだけ自分がいろんな作品に触れてきたのかな〜と思いつつ少し落胆もしましたね。
あと主人公らのラブイチャシーン。長え。事後のキスとかいらん。キスはこの映画でも度々登場してそれなりに重要ではあるのですが、少し浅はか過ぎるかなと。ま、なくてもよかったんちゃう?って感じました。
さて、ここまで悪い点を挙げてきましたが次は良い点です。
やはりアニメーション作品。表現が綺麗で観ていて気持ちが良かったです。水の中に出現する雛罌粟君は独特なキモさを持ち合わせていて最高でしたね。他にも始まりのダンボールやコーヒーなどなど良いシーンが多くありました。
やはり川栄の演技がうま過ぎる。 メインキャラ4人いるんですけど川栄だけやたら上手すぎます。本業が声優かと思うほど。
終わり方はほぼハッピーエンド。メインキャラ4人が一応報われる終わり方なのでしっかりオチでて良いかなと。
と言ったところで良いところ悪いところまとめて総評すると星2ってとこですかね。
自分は20前後の学生なんですがJKくらいなら観ていて心に残る作品なんじゃないでしょうか。それ以上の特に男性はあまり面白く感じられないかもしれないです。
雑誌『Fine』
今夏のビッグタイトルアニメの二弾の位置づけになるのか、湯浅監督のド直球青春ファンタジーアニメ作品である。前作の“ルー”は未鑑賞なのだが世界観は似ているらしい。鑑賞後に感じたのが、自分が10代の頃に記憶していた表題の雑誌名だ。全く以て自分の性格や生活とは一切関わることのないサーフィンカルチャーを紹介していた雑誌で、勿論中身は知る由もないが書店に置かれている表紙だけでチャラチャラした雰囲気を発散させているイメージは正に今作品にダイレクトに結びつけられる。拠って、自分にとって丸っきり刺さらないストーリーであった。女子供が喜びそうなマテリアルがザクザク登場し、その世界観の中で切なさ恋愛模様を繰広げる構成は、正に少女漫画そのものかも知れない。監督の特徴ある構図やアングル、人物のフォルムや動かし方、等々外連味は良く理解出来るし特徴が失われていないことは良いのだが、如何せん、展開に深みがない。勿論対象がその深みを要求していないことを見通しての組立だから仕方がないのだろう。波の描き方や動かし方、魚眼レンズを用いた視覚映像、心地よい涼しげな水泡の音響効果等、アニメならではの表現方法は誠に素晴らしいだけに、自分が鑑賞対象ではなかったことが悔やまれる。オムライスの作り方は故伊丹十三監督の“タンポポオムライス”のオマージュ、コーヒーの淹れ方の動画の表現も、決して写実ではないが、その美味しさが100%伝わる表現の幅広さに感服の二文字しかない。なので、自分にとっての今作品の意味づけは、湯浅監督のアニメーション作家としてのテクニックの博覧会をみせて貰ったという心持ちである。
ま、何れにせよ、主人公達のイチャつきはゲンナリだったが(苦笑)
正直期待値0で見たが
0からだとそこまで酷い映画だとは思いませんでした。他の方も仰っていたが、確かにありがちなストーリー。絵も特別際立っている特徴があるかというと、そんなことはないですね。リアルかファンタジーに寄せるかどちらかにして欲しかったです。
ここ数年、ストーリーも絵も魅せ方も抜群に上手いアニメ映画は爆発的に増えているし、その中でありがちなストーリー、いわゆる普通のアニメ映画だと受け入れられない人は多いと思います。求めているレベルも上がってはいますが…。
良いところをあげるとすれば、変に構えて見る必要がないというところ、少し伏線のようなものがあるところ、登場人物が少なくて理解しやすいところですかね。
普段からアニメ映画を見ている方で、特別キャストのファンとかでないなら、期待値は低くしてから見たほうがいいと思います。
感動した
試写会に行きました。主人公の恋人の男の子(港)が完璧すぎて、物凄くかっこ良かったです。川栄ちゃんは凄過ぎます、声優上手すぎます。水が綺麗でした。友人や家族、恋人、誰とでも絶対に楽しめる映画だと思います。多分、泣く人多いと思います、悲しい映画です。あと、この映画を最後まで観れば誰でも主題歌のサビが頭に残り、口ずさみたくなります。
2、3日は頭から離れませんでしたね。
水と波、食べ物の描写、主題歌、川栄さん
試写会が当たったので、感謝も込めて感想を。
小6の娘と見ました。彼女的には、ハッピーエンドでないのは不満げでしたが、総じて良かったとのこと。
出だしは本当にあまーい二人のお話です。
気むずかしい質の方は、このあたりで拒否反応を示すかもしれません。
緩い感じで始まりますが、後半は、湯浅監督の前作を彷彿とさせるちょっとぶっ飛んだ描写もあり、圧倒されつつ、ファンタジーに振れますが、最後は地に足をつける感じで終わります。
喪失感を抱えつつ前に進んで行くしかない、なんとも言えない孤独感と苦しさが残り、かなり泣かされました。
食べ物、水と波の描写、そして、主題歌と川栄さんがとても良い。
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